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だけど、部屋という閉鎖的な空間とは違って、開放的な外だと変に意識することなく絵に集中することができた。



「終わった~…!」


パレットに筆を置き、安堵のため息をつく。


「うん!いい感じ!」


わたしは立ち上がって、スケッチブックと風景とを照らし合わせた。

――そのとき。


「…うわっ」


立ち上がった拍子にボートが揺れて、わたしはバランスを大きく崩した。

体がボートの外へと投げ出される。


一瞬、昨日池の中へ突き落とされた場面が頭の中に蘇った。


「…ありす!危ない…!!」


次の瞬間、そう叫んだ昴くんは伸ばしたわたしの手を取って抱き寄せた。


強くつむった目をゆっくりと開ける。


「…大丈夫か?」


間近で昴くんと目が合いドキッとする。

そこでようやく気がついたけど、昴くんがわたしの頭を包み込むようにして覆いかぶさっていた。
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