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年上ボディガードとヒミツの計画
「アリス様」

「は…、はい…!」


朝、ぼけっと歯を磨いていたら、後ろから昴くんに声をかけられた。

いつもなら普通に受け答えするものの、今日はびっくりしすぎて変な声になった。


「申し訳ございません、驚かせてしまって…。肩に糸くずがついていましたので」

「…あ、ありがとう」


わたしは深く息を吐いて、バクバクする鼓動をなんとか落ち着かせる。


実は…、この前からやたらと昴くんを意識してしまうようになった。


『…うわっ』

『…ありす!危ない…!!』


“この前”とは、ボートの上でバランスを崩したわたしの上に昴くんが覆いかぶさったときだ。


今でも、あのときの昴くんの表情、キスしてしまうのではないかと思うくらいの近距離を思い出したら顔が熱くなる。


それに、わたしのことを『ありす』と呼んでくれた。
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