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あのときの、わたしたちを取り巻くあの空間だけは、警護対象者とボディガードという関係じゃなかったような気がする。


それ以降、わたしは昴くんと目が合うだけでドキドキするし、名前を呼ばれたら密かにニヤけてしまうほど。

なぜなら、昴くんへの自分の気持ちに気づいてしまったから。


好きな人がすぐそばでわたしを守ってくれる。

うれしいことだけれど、バクバクと暴れる心臓がもつかが心配だ。


そんなわたしの変化を察知して、声をかけてきたのは慎太郎くんだった。



お風呂上がりに洗面所でドライヤーで髪を乾かしていると、寝る前に慎太郎くんが歯ブラシを取りにやってきた。


「アリスちゃん、最近感じ変わったよね?」


後ろから話しかけられ、キョトンとして振り返る。


「…え?そう?」


メイクはいつもどおりだし、髪型も変わってないし――。
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