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着させてもらったのは、黄色っぽい着物だった。


「アリス様、ご準備できましたでしょうか。そろそろお時間です。お父様がお待ちです」

「え?…お父さん?」


わたしはボディガードの人たちに連れられて部屋を出た。


エレベーターを下りたところで待っていたのは、スーツ姿のダンディな男の人。


「おおっ、アリス!着物にしたのか!日本らしくていいな!」


その男の人は、にこやかに微笑みながらわたしの背中をぽんぽんとたたく。


「えっと…、あなたが…お父さん……ですか?」

「…“お父さん”?」


キョトンとして首をかしげる男の人。


あっ…、しまった!

…たしか、アリスちゃんは――。


『パパは会社の社長さん。ママはモデルをしてるよ』


…そうだ!

“パパ”だ!


「そ…そうなの、パパ!この着物、かわいいでしょ?」
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