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だったとしても、会ったばかりなのに…そんなに敵視しなくても。


周りからの視線に、わたしは思わずうつむいた。

すると――。


「気にすることなどありません。アリス様は堂々となされてください」


耳元でそんなささやき声が聞こえて顔を向けると、それは昴くんだった。


…驚いた。

無口な人だと思っていたから、そんなふうにやさしい言葉をかけてくれるだなんて。


「それでは、佐藤さんはあちらの席を使ってください」

「はい!」


わたしは、先生に指示された席へと向かう。

そこは、窓際の席だった。


周りを見ると、お嬢様である女子生徒とエスコート科の男子生徒が隣同士で座っている。

だから、わたしの隣には昴くんが座った。


てっきり虹斗くんと慎太郎くんは、各学年の教室に戻るのかと思いきや――。
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