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一番前の列のグループが終わると、今度はわたしの前に座っていた真ん中の列の生徒たちが立ち上がって体育館の中央へ。


まさかとは思ったけど、全員ここで社交ダンスを披露するってこと…!?


周りは授業でも習っていて、お嬢様だからそもそも踊れる人ばかりかもしれないけど――。

庶民のわたしが、いきなり踊れるわけがない…!


わたしは列から外れようと、身を低くして静かに動き出す。

だけど、それを隣に座っている昴くんが見逃すはずがない。


「アリス様…どちらへ?」


当然声をかけられた。


「え…えっと、ちょっとお腹が痛いのでお手洗いに…」

「それでは、ご一緒いたします」

「…いやっ、それはこなくていいから…!」


いくら大事な警護対象者だからって、トイレまでついてこられたらわたしが落ち着かない。
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