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「でも、そんなこと――」

「きっとそうだって!」


心配そうに見つめてくる虹斗くんと慎太郎くんに、わたしは笑ってみせた。


「さっ!早く教室行こ!」


いつもと同じように振る舞った。


実は、私物がなくなるのは今日が初めてではなかった。

数日前から、ハンカチがなくなったり、お気に入りのペンがなくなったり。


初めは、わたしの不注意でどこかに忘れてきてしまったのかと思ったけど…。

こうも毎日続くと、さすがのわたしもなにかがおかしいということくらいわかる。


…きっと、だれかに隠されている。


でもそれがだれかはわからないし、わざわざ犯人探しをしようとも思わない。

徹底的に調べられて困るのは、アリスちゃんと入れ替わっているわたしのほう。


だから、このままでいい。


とは言っても、今朝の上履きが片方ないことについては、さすがのイージスも異変を感じている。
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