\ トップ★シークレット /
そうなったら虹斗くんに邪魔されちゃいそうだから、早めに仕上げておこう!


わたしはデッサンを終えると、5限の間に色塗りも始めた。

絵を描くことは好きだから、夢中で色を塗っていく。


――だから、気づかなかった。

背後から足音が近づいてくることに。



「よし!あと少し」


いったんパレットに筆を置き、目の前の風景とスケッチとを見比べる。


「ア〜リスちゃんっ」


そのとき、後ろからわたしを呼ぶ声が聞こえた。

振り返ると、そこにいたのは同じクラスの4人の女の子。


その一番前にいる女の子を見て、わたしははっとした。


「風景画、どう?捗ってる?」


そう言って、にんまりと笑うのは…沙理奈ちゃん。


そう。

この前、ボディガードの江口くんにクビを宣告した三輪沙理奈ちゃんだ。
< 97 / 195 >

この作品をシェア

pagetop