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「…沙理奈ちゃん」


嫌な予感がして、自然と声が震えた。


だって、これまで沙理奈ちゃんがわたしに話しかけてきたことはないから。

それに後ろに引き連れている女の子たちは、沙理奈ちゃんに続くカースト上位のコたち。


そんな4人が…わたしになんの用?


「…どうしたの?」


わたしは、警戒しながらゆっくりと立ち上がる。


「あの佐藤財閥のお嬢様だから、もちろん風景画もお得意だろうと思って、参考に見せてもらいにきたの〜」

「わたしの絵を…?」


他の女の子たちを引き連れた沙理奈ちゃんは、わたしのスケッチブックをのぞき込む。


「へ〜、お上手なのね」


伏し目がちに視線を落とす沙理奈ちゃん。

次の瞬間…!


沙理奈ちゃんはわたしのスケッチブックを手に取ると、それを池に向かって放り投げた。
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