神獣の花嫁〜さだめられし出逢い〜
「あたし、いつ帰れる?」
「それはコク様にお尋ねください」
「コク様って、誰?」
「この“下総ノ国”に居られる“神獣”様にございます」
といった具合で、一問一答状態だったのだ。
「すぐに……か。ふむ、それは難しい相談じゃのう。
おぬしがこの“陽ノ元”に召喚されたのが望の晩。それは、“召喚の儀”を行うための条件のひとつであると聞いておる。
対して、“返還の儀”を行うのは朔の晩となるからの。
おおよそ半月後となるはずじゃ」
「…………半月後!?」
反応が遅れたのは、闘十郎の話が長くなりそうで流しぎみに聞いていたからだ。
しかし、セキコの言葉を鵜呑みにしていた美穂は、その日数に驚きより怒りが勝ってしまう。
「あいつ、すぐにでもって言ってたのに!」
「……セキがか? 確証のないことを申すとは、あやつらしからぬことじゃな。……なるほど」
かすかに笑みを浮かべ独りごちると、闘十郎は美穂に目を向けた。
「それはコク様にお尋ねください」
「コク様って、誰?」
「この“下総ノ国”に居られる“神獣”様にございます」
といった具合で、一問一答状態だったのだ。
「すぐに……か。ふむ、それは難しい相談じゃのう。
おぬしがこの“陽ノ元”に召喚されたのが望の晩。それは、“召喚の儀”を行うための条件のひとつであると聞いておる。
対して、“返還の儀”を行うのは朔の晩となるからの。
おおよそ半月後となるはずじゃ」
「…………半月後!?」
反応が遅れたのは、闘十郎の話が長くなりそうで流しぎみに聞いていたからだ。
しかし、セキコの言葉を鵜呑みにしていた美穂は、その日数に驚きより怒りが勝ってしまう。
「あいつ、すぐにでもって言ってたのに!」
「……セキがか? 確証のないことを申すとは、あやつらしからぬことじゃな。……なるほど」
かすかに笑みを浮かべ独りごちると、闘十郎は美穂に目を向けた。