神獣の花嫁〜さだめられし出逢い〜
夕食も摂り、風呂にも浸かり、あとは寝るだけ。となっていたのだが。
長年の夜更かし習慣からは抜けきれず、美穂は眠れぬ自分を持て余し濡れ縁へと出ていた。
そこへセキコがやってきて、ふたり顔を合わすなり同時に口を開いたのだった。
「……魂年齢の話よ。
見た目はあんなでもコクのじい様は、アタシよりも五十年以上長く生きているわ」
美穂の疑問に、素っ気なくセキコが応じる。
へぇ、と、相づちをうち、美穂は問いを重ねた。
「で? そういうあんたの魂年齢とやらは、いくつなの?」
「……え?」
初めて『素』の顔を向けられた。
女装いと女の口調。常に余裕綽々で作られたような表情の青年が見せた、本気で驚く様。
なんとはなしに訊いた美穂のほうが、その反応に驚いてしまう。
「え、って……まさか、自分の歳も解らないとかいうオチ?」
こちらの世界に来てから、たびたびある自分の常識が通用しないという事態。
またかという思いから、美穂はあきれ半分であでやかな美貌の主を見上げる。
すとん、と。気が抜けたようにセキコは美穂の隣に腰を下ろした。
長年の夜更かし習慣からは抜けきれず、美穂は眠れぬ自分を持て余し濡れ縁へと出ていた。
そこへセキコがやってきて、ふたり顔を合わすなり同時に口を開いたのだった。
「……魂年齢の話よ。
見た目はあんなでもコクのじい様は、アタシよりも五十年以上長く生きているわ」
美穂の疑問に、素っ気なくセキコが応じる。
へぇ、と、相づちをうち、美穂は問いを重ねた。
「で? そういうあんたの魂年齢とやらは、いくつなの?」
「……え?」
初めて『素』の顔を向けられた。
女装いと女の口調。常に余裕綽々で作られたような表情の青年が見せた、本気で驚く様。
なんとはなしに訊いた美穂のほうが、その反応に驚いてしまう。
「え、って……まさか、自分の歳も解らないとかいうオチ?」
こちらの世界に来てから、たびたびある自分の常識が通用しないという事態。
またかという思いから、美穂はあきれ半分であでやかな美貌の主を見上げる。
すとん、と。気が抜けたようにセキコは美穂の隣に腰を下ろした。