神獣の花嫁〜さだめられし出逢い〜
「は、“花嫁”って、なにすんの? あたしにできることなんて、限られてるんだけど!
あんたの名前、口に出さないで伝えられるかなんて、全然自信ないし!」
「アンタはアタシの側にいればいいの。それで充分。
真名に関しては、前にも言ったと思うけど、アタシたちの問題でもあるから、気にしなくていいわ」
必死に言い募る美穂に対し、セキコの返答は軽くいなすようなもので、真剣味が足りない気がした。
(なんでこいつ、こんないい加減な調子なんだよ)
真剣になった自分が馬鹿みたいだ。
「ほら、帰るわよ」
立ち上がって、セキコが片手を美穂に差し出す。
美穂は、なんだか釈然としない。
「……結局あんたって、男でも女でもイケる人ってこと?」
確認せずにはいられなかった美穂の下賤な質問に、返ってきたのは盛大なため息だった。
「アンタって、下品な子ねぇ……」
「は? なにソレ。お前に言われる筋合いないんだけど!」
「───この際だから、ハッキリ言っておくわ」
両手を腰に当て、怒ったような表情でセキコが美穂を見下ろす。
あんたの名前、口に出さないで伝えられるかなんて、全然自信ないし!」
「アンタはアタシの側にいればいいの。それで充分。
真名に関しては、前にも言ったと思うけど、アタシたちの問題でもあるから、気にしなくていいわ」
必死に言い募る美穂に対し、セキコの返答は軽くいなすようなもので、真剣味が足りない気がした。
(なんでこいつ、こんないい加減な調子なんだよ)
真剣になった自分が馬鹿みたいだ。
「ほら、帰るわよ」
立ち上がって、セキコが片手を美穂に差し出す。
美穂は、なんだか釈然としない。
「……結局あんたって、男でも女でもイケる人ってこと?」
確認せずにはいられなかった美穂の下賤な質問に、返ってきたのは盛大なため息だった。
「アンタって、下品な子ねぇ……」
「は? なにソレ。お前に言われる筋合いないんだけど!」
「───この際だから、ハッキリ言っておくわ」
両手を腰に当て、怒ったような表情でセキコが美穂を見下ろす。