神獣の花嫁〜さだめられし出逢い〜
「アタシはね、むさ苦しい男なんて、大嫌い! ついでに、器量が良くても愛想のない男や、ムダに伊達を気取る男もムリ!
アタシが好きなのは」
言って、ひょいと伸ばされたセキコの指先が、美穂の鼻をつまむ。あでやかに、その顔が微笑んでみせた。
「小さくて可愛い『仔猫』なの」
いきなりのことに面くらい、とっさに反応できなかった美穂は、セキコの指が離れた直後、拳を振り上げた。
「このっ」
「アンタのちっちゃな『爪』くらい、いくらでも受け止めるわ。安心して引っ掻きなさい?」
「……っ」
あっけなく阻止された拳は、やんわりと引き寄せられてしまう。
そのまま包みこまれた身体は、初めてされる抱擁を、くすぐったい思いで受け入れた。
───ただし、つかの間の従順さではあったが。
アタシが好きなのは」
言って、ひょいと伸ばされたセキコの指先が、美穂の鼻をつまむ。あでやかに、その顔が微笑んでみせた。
「小さくて可愛い『仔猫』なの」
いきなりのことに面くらい、とっさに反応できなかった美穂は、セキコの指が離れた直後、拳を振り上げた。
「このっ」
「アンタのちっちゃな『爪』くらい、いくらでも受け止めるわ。安心して引っ掻きなさい?」
「……っ」
あっけなく阻止された拳は、やんわりと引き寄せられてしまう。
そのまま包みこまれた身体は、初めてされる抱擁を、くすぐったい思いで受け入れた。
───ただし、つかの間の従順さではあったが。