「恋愛ごっこ」してください!―可愛い義理の妹が仕掛けてくる!
第10話 瞳との別れ―原因は僕が半分で瞳が半分!
僕は瞳のことが気になっていた。美幸と鉢合わせしてから週が明けた月曜日の昼休みに電話した。
「妹が急に訪ねて来て迷惑をかけてごめん。気を悪くしただろう。申し訳なかった」
「誠のせいじゃないことは分かっているから、気を悪くしてなんかいない。ただ・・・」
「ただ、何?」
「いえ、なんでもない」
「次は4月5日の金曜日に食事でもしないか?」
「6日に自宅へ友人が訪ねてくることになっているからパスしたいけど良い?」
「良いけど、じゃあ、また電話するから」
瞳とはこれまで2週間毎に会っていた。瞳がデートをパスしたのはここのところ1回もなかったので気になった。やはり美幸と会ったことが理由かもしれない。それに何か言おうとして止めたことも気になった。
◆ ◆ ◆
瞳にデートをパスされた日から2週間程経ったので久しぶりに電話を入れてみた。その間はLINEの何気ないやりとりが続いていた。
「20日の金曜日に食事しないか? 都合はどう?」
「そうしましょう。私も話したいことがあるので、場所と時間は連絡します」
「じゃあ」
話ってなんだろう。美幸のことか? 会って話してみると分かるだろう。
◆ ◆ ◆
前日に瞳からLINEで場所と時間が送られてきた。場所は確か瞳と最初に食事をしたレストランだった。約束の時間にレストランに到着すると瞳はもう席に着いて待っていた。いつもとは違って瞳はもう白ワインを飲んでいた。
席に着くと僕はビールを注文した。それからいつものようにそれぞれがアラカルトで好きな料理を注文した。ビールがきたので乾杯をする。
「食べながらお話しましょう。ここを覚えている?」
「ここは二人が初めて食事をしたレストランだったね」
「ここで始まったからここで終わりにしようと思って」
「終わりってどういうこと?」
「私たち、別れましょう。その方が二人には良いと思うから」
「妹の美幸のことが原因なのか?」
「半分は誠にあると言っても良いと思うの。誠は覚えていないかもしれないけど、誠が熱を出したので看病してあげたときに初めて愛し合ったけど、誠は熱があったので朦朧としていて私か妹さんか分からなくなっていたみたいだった」
「よくは覚えていないけど、そうだったかもしれない」
「それから後のことだったけど、愛し合ったあと寝ているときに、誠が寝ぼけて美幸と言ったこともあったの。それで寝言で言っていた美幸って誰なのと聞いたら、妹だと答えたので安心していた。でもこの間、誠の部屋で鉢合わせして、妹さんが私によく似ていて、それに義理の妹だと分かって納得がいったの」
「どう納得がいったの?」
「誠の心の中には妹さんがいるのがはっきりと分かったのよ。だから妹さんに似ている私に惹かれて付き合ったのだと思ったの」
「そうまで言われると否定はできない。もしそうなら瞳に謝らなくてはいけない。こういう関係にまでなったのだから」
「いえ、私にも責任があるわ、私が誘ったからよ。誠が好きになったから」
「妹のことで瞳を傷つけることになってすまない。僕の心の中に妹がいることは自分でも薄々分かっていた。そんな思いをさせて申し訳なかった」
「私は謝ってもらうつもりで話したのではないのよ。あとの半分は私の問題なの」
「あとの半分って」
「誠が悔いを残さないように話しておきます。いずれ分かると思うから。私にはもう一人好きな人がいます。2週間毎に会っていたのはどうしてか分かる?」
「その人と会っていた?」
「ごめんなさい。どちらも好きになったから仕方がなかった。悪く言うと誠とその人を二股にかけていたということになると思う。だから私とのこれまでのことは気にしなくていいから、私は彼とうまくやっていくから」
「やはりそうなのか、なぜ毎週会ってくれないのかとは思っていた」
「それといずれ分かるといったのは、先週の金曜日の夜、彼と一緒にいたところ、妹さんと出会ったの。会社が近くだったのね。彼女はすぐ私だと気が付いた。それで妹さんが私に相談があると月曜日の昼休みに会社を訪ねて来たので、事情はお話しました」
「美幸は僕に何も言っていないけど、美幸は瞳に何て言っていた?」
「飯塚さんが本当に兄を好きなら、兄のために私はあきらめるけど、もし二人を天秤にかけているなら、早くどちらかに決めてほしい、兄が可哀そうだと言われたの」
「美幸はそう言ったのか?」
「妹さんは誠のことが好きで、誠の心の中には妹さんがいる。私の懸念が当たっていたわ。私は二人の間には入って行けないことがはっきりと分かったから、それで誠と別れることにしたの。だから悔いを残したり、後悔したりしないで、お願い、私も辛くなるから」
「分かった。すべて話してくれてありがとう。おかげで僕も気持ちの整理ができたから、もう会わないことにしよう」
「それにお互いのために付き合っていたことは口外しないことにしましょう」
「分かった。瞳もその彼とうまくやってくれ」
「誠も妹さんと仲良くして」
「今後、会うとしても同期会だけになるけど、これでお別れだね。今までありがとう」
「妹が急に訪ねて来て迷惑をかけてごめん。気を悪くしただろう。申し訳なかった」
「誠のせいじゃないことは分かっているから、気を悪くしてなんかいない。ただ・・・」
「ただ、何?」
「いえ、なんでもない」
「次は4月5日の金曜日に食事でもしないか?」
「6日に自宅へ友人が訪ねてくることになっているからパスしたいけど良い?」
「良いけど、じゃあ、また電話するから」
瞳とはこれまで2週間毎に会っていた。瞳がデートをパスしたのはここのところ1回もなかったので気になった。やはり美幸と会ったことが理由かもしれない。それに何か言おうとして止めたことも気になった。
◆ ◆ ◆
瞳にデートをパスされた日から2週間程経ったので久しぶりに電話を入れてみた。その間はLINEの何気ないやりとりが続いていた。
「20日の金曜日に食事しないか? 都合はどう?」
「そうしましょう。私も話したいことがあるので、場所と時間は連絡します」
「じゃあ」
話ってなんだろう。美幸のことか? 会って話してみると分かるだろう。
◆ ◆ ◆
前日に瞳からLINEで場所と時間が送られてきた。場所は確か瞳と最初に食事をしたレストランだった。約束の時間にレストランに到着すると瞳はもう席に着いて待っていた。いつもとは違って瞳はもう白ワインを飲んでいた。
席に着くと僕はビールを注文した。それからいつものようにそれぞれがアラカルトで好きな料理を注文した。ビールがきたので乾杯をする。
「食べながらお話しましょう。ここを覚えている?」
「ここは二人が初めて食事をしたレストランだったね」
「ここで始まったからここで終わりにしようと思って」
「終わりってどういうこと?」
「私たち、別れましょう。その方が二人には良いと思うから」
「妹の美幸のことが原因なのか?」
「半分は誠にあると言っても良いと思うの。誠は覚えていないかもしれないけど、誠が熱を出したので看病してあげたときに初めて愛し合ったけど、誠は熱があったので朦朧としていて私か妹さんか分からなくなっていたみたいだった」
「よくは覚えていないけど、そうだったかもしれない」
「それから後のことだったけど、愛し合ったあと寝ているときに、誠が寝ぼけて美幸と言ったこともあったの。それで寝言で言っていた美幸って誰なのと聞いたら、妹だと答えたので安心していた。でもこの間、誠の部屋で鉢合わせして、妹さんが私によく似ていて、それに義理の妹だと分かって納得がいったの」
「どう納得がいったの?」
「誠の心の中には妹さんがいるのがはっきりと分かったのよ。だから妹さんに似ている私に惹かれて付き合ったのだと思ったの」
「そうまで言われると否定はできない。もしそうなら瞳に謝らなくてはいけない。こういう関係にまでなったのだから」
「いえ、私にも責任があるわ、私が誘ったからよ。誠が好きになったから」
「妹のことで瞳を傷つけることになってすまない。僕の心の中に妹がいることは自分でも薄々分かっていた。そんな思いをさせて申し訳なかった」
「私は謝ってもらうつもりで話したのではないのよ。あとの半分は私の問題なの」
「あとの半分って」
「誠が悔いを残さないように話しておきます。いずれ分かると思うから。私にはもう一人好きな人がいます。2週間毎に会っていたのはどうしてか分かる?」
「その人と会っていた?」
「ごめんなさい。どちらも好きになったから仕方がなかった。悪く言うと誠とその人を二股にかけていたということになると思う。だから私とのこれまでのことは気にしなくていいから、私は彼とうまくやっていくから」
「やはりそうなのか、なぜ毎週会ってくれないのかとは思っていた」
「それといずれ分かるといったのは、先週の金曜日の夜、彼と一緒にいたところ、妹さんと出会ったの。会社が近くだったのね。彼女はすぐ私だと気が付いた。それで妹さんが私に相談があると月曜日の昼休みに会社を訪ねて来たので、事情はお話しました」
「美幸は僕に何も言っていないけど、美幸は瞳に何て言っていた?」
「飯塚さんが本当に兄を好きなら、兄のために私はあきらめるけど、もし二人を天秤にかけているなら、早くどちらかに決めてほしい、兄が可哀そうだと言われたの」
「美幸はそう言ったのか?」
「妹さんは誠のことが好きで、誠の心の中には妹さんがいる。私の懸念が当たっていたわ。私は二人の間には入って行けないことがはっきりと分かったから、それで誠と別れることにしたの。だから悔いを残したり、後悔したりしないで、お願い、私も辛くなるから」
「分かった。すべて話してくれてありがとう。おかげで僕も気持ちの整理ができたから、もう会わないことにしよう」
「それにお互いのために付き合っていたことは口外しないことにしましょう」
「分かった。瞳もその彼とうまくやってくれ」
「誠も妹さんと仲良くして」
「今後、会うとしても同期会だけになるけど、これでお別れだね。今までありがとう」