純愛以上、溺愛以上〜無愛想から始まった社長令息の豹変愛は彼女を甘く包み込む~

パーティ開催


新年会以来、大木の嫌がらせじみた態度に変化が現われたような気がした。

仕事の指示がわざとらしくぎりぎりだったり、嫌味を口にしたりするのは相変わらずだったのだが……どう表現すればいいのだろう。私を見る時の目つきが今までと違って見えたのだ。

例えば――。

私の全身をじろじろと舐め回すような、舌なめずりでもするような、そんな表現が合いそうな目だと思った。それだけではなく、わざわざ背後を通ったりしては、傍からは気づかれないほどのさり気なさで、肩や背中に触れていく。これまでは、こんな風に近づいてきたことはなかったのに。

性的な対象として見られているような気がした。そんな視線や接触の度に総毛立つような思いがしたが、そのことは誰にも言わなかった。この程度の接触、偶然の域を出ないと言われてしまったら、そうかもしれないと思えるようなものだったからだ。自意識過剰と嗤われるかもしれない、もしかしたら私の被害妄想にすぎないのかもしれない――。そう思ってしまった。だから、このことは宗輔にも黙っていた。日頃から、何かあればすぐに教えるようにと言ってくれていたけれど、彼は忙しい時期だったし、そんな時に余計な心配をかけたくなかった。

そんな折、県内トップクラスの代理店を労うためにパーティーを開こうという話が持ち上がった。年度末までにはまだ間があったが、だからこそ、決算に向けた駆け込み契約に発破をかける意味も込められていた。
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