純愛以上、溺愛以上〜無愛想から始まった社長令息の豹変愛は彼女を甘く包み込む~
「ごめん、お待たせ」
「どういたしまして。ねぇ、幸せそうな顔してたよ。顔、直してから戻った方がいいんじゃない?」
久美子にからかわれて、私は慌てて自分の顔を抑えた。
恐る恐る部屋に戻り、大木の居場所を確かめる。彼は元の席にいて、支店長と話し込んでいる様子だった。
ほっとしながら久美子と一緒に戸田に合流し、最後の締めにジェラートを注文した。
新年会はほぼ時間通りに散会となった。他の者たちと一緒になって、がやがやと店の外に出る。久美子と戸田は先に行ってしまったのか、姿が見えない。どこだろうと探している時、不意に背後に大木が立った。
「もう帰るのかな?」
心臓がドクンと大きな音を立てた。首筋が強張る。
目線のすぐ先に久美子と戸田を見つけた。しかし二人はこちらに気づいていない。他の男性たちも同様で、今のこの時、大木と私に注意を払っている者はいなかった。
私は聞こえなかったふりをして、急いで久美子たちの方へ移動しようとした。ところが、それを引き留めるように大木の手が肩に乗った。触れられたところから全身に悪寒が走る。
「この後二人で飲みに行かないか?」
「い、いえ、もう帰りますので」
「そんなこと言わずにさ。色々と話をしたいんだけどね」
「課長!課長はこの後どうします?」
ちょうどその時大木を呼ぶ声が聞こえた。
そのおかげで大木の気が私から逸れ、手が外れた。その隙に、私は久美子たちの傍へと急いで向かう。気持ちを落ち着かせるため深呼吸をし、二人に口早に告げた。
「ごめん、今のうちに帰るわ。また来週ね」
私はその場から離れ、逃げるように繁華街の人の波に紛れ込んだ。
「どういたしまして。ねぇ、幸せそうな顔してたよ。顔、直してから戻った方がいいんじゃない?」
久美子にからかわれて、私は慌てて自分の顔を抑えた。
恐る恐る部屋に戻り、大木の居場所を確かめる。彼は元の席にいて、支店長と話し込んでいる様子だった。
ほっとしながら久美子と一緒に戸田に合流し、最後の締めにジェラートを注文した。
新年会はほぼ時間通りに散会となった。他の者たちと一緒になって、がやがやと店の外に出る。久美子と戸田は先に行ってしまったのか、姿が見えない。どこだろうと探している時、不意に背後に大木が立った。
「もう帰るのかな?」
心臓がドクンと大きな音を立てた。首筋が強張る。
目線のすぐ先に久美子と戸田を見つけた。しかし二人はこちらに気づいていない。他の男性たちも同様で、今のこの時、大木と私に注意を払っている者はいなかった。
私は聞こえなかったふりをして、急いで久美子たちの方へ移動しようとした。ところが、それを引き留めるように大木の手が肩に乗った。触れられたところから全身に悪寒が走る。
「この後二人で飲みに行かないか?」
「い、いえ、もう帰りますので」
「そんなこと言わずにさ。色々と話をしたいんだけどね」
「課長!課長はこの後どうします?」
ちょうどその時大木を呼ぶ声が聞こえた。
そのおかげで大木の気が私から逸れ、手が外れた。その隙に、私は久美子たちの傍へと急いで向かう。気持ちを落ち着かせるため深呼吸をし、二人に口早に告げた。
「ごめん、今のうちに帰るわ。また来週ね」
私はその場から離れ、逃げるように繁華街の人の波に紛れ込んだ。