純愛以上、溺愛以上〜無愛想から始まった社長令息の豹変愛は彼女を甘く包み込む~
確かめ合って
高原は焦れた目をして、けれど恐る恐るといった風に私に口づける。そっと顔を離して、私の両目を覗き込んだ。
「どうして拒否しないんだ。答えを期待してしまうじゃないか」
「こんなことになるなんて本当に悔しいんだけど……」
私は高原の目を見返し、吐息まじりの小声で言った。
「私、高原さんを好きになってしまいました」
次の瞬間、これ以上はないというくらい嬉しそうな笑みが、高原の顔いっぱいに広がった。
こんな顔を見たのは初めて……。
そう思ったと同時だった。再び彼の顔が近づいてきた。
私は目を閉じて、彼の唇を受け止めた。
しかし彼はすぐに唇を離すと、真剣な目をして私に訊ねた。
「噓じゃ、ないんだよな」
急に恥ずかしくなって、私は目線を外しながら頷いた。
「本当です。自分でも驚いているけれど」
「佳奈、って呼びたい。俺のことも下の名前で呼んでほしい」
私の頬に触れながらそう言う高原――宗輔に、私は頷いた。
「はい。宗輔、さん……」
彼の名前を口にした途端、嬉しくてむず痒いような気持ちになった。
「やっと捕まえた」
宗輔は再び私に口づけた。初めは探るようだったキスは、次第に気持ちの昂りを感じるような強さと熱を伴い始めた。
宗輔の舌が私の唇を割るようにして入ってくる。彼はそのまま私の舌を絡め取ると、これまでの想いをすべてぶつけるかのような、優しいくせに激しいキスを続けた。
私は彼の熱に翻弄されながらも、彼の口づけを受け入れていた。彼の昂ぶりが伝染したのか、彼のキスに促されてしまったのか、私の体の内にももどかしさが生まれた。高まる気持ちのままに彼の首に腕を回そうとしたが、すぐさまはっとする。
宗輔のキスはエスカレートする一方だったが、私はそれに必死に抗った。
「ん……んんっ!」