純愛以上、溺愛以上〜無愛想から始まった社長令息の豹変愛は彼女を甘く包み込む~
24.ある日のデート
『無理して時間を作らなくてもいいのよ』
交際を始めて何回目かのデートの時、私は宗輔に言った。
彼の休みは不定期な上、自分の仕事の他に父親の仕事も手伝っていて多忙のようだったからだ。
しかし、気を遣って言ったつもりの私に、彼は甘い眼差しを向けながらこう返した。
『俺の楽しみを取り上げるつもりか?佳奈との時間のために、毎日頑張っているんだ。気を遣わなくていい』
そんな風に言われてしまっては、それ以上何も言えない。結局それからも、仕事が終わってからの彼とのデートは、週に一、二回ほどのペースで続くことになった。
いつもより早く会えるかもしれない、と事前に連絡があったその日の夕方、仕事を終えてロッカーを開けた私は早速携帯の画面を開いた。宗輔からのメッセージが入っていた。
『今日はもうすぐ帰れる。食事に行こう』
嬉しくなって頬が緩んだ。久美子と戸田がまだ来ていなくて良かったと思う。もしもこんな所を二人に見られたら、きっと彼女たちの目はごまかせない。近くの書店で待つと、大急ぎでメッセージを返し終えた時だった。
「お疲れ様!」
久美子と戸田が口々に言いながら入って来た。
危なかった、と顔を引き締める。そそくさと身支度を終えた私は二人に挨拶を返し、ロッカールームを後にした。
会社を出た私は、通りを少し歩いた先にある書店に入った。宗輔が来るまでと 思いながら、旅行雑誌を手に取る。ぱらぱらとめくりアジアのビーチのページを眺め始めた時、バッグの中で携帯が振動した。急いで手に取ってみた画面には、宗輔からメッセージが入ったこと知らせる通知が表示されていた。書店の駐車場に着いたようだ。
交際を始めて何回目かのデートの時、私は宗輔に言った。
彼の休みは不定期な上、自分の仕事の他に父親の仕事も手伝っていて多忙のようだったからだ。
しかし、気を遣って言ったつもりの私に、彼は甘い眼差しを向けながらこう返した。
『俺の楽しみを取り上げるつもりか?佳奈との時間のために、毎日頑張っているんだ。気を遣わなくていい』
そんな風に言われてしまっては、それ以上何も言えない。結局それからも、仕事が終わってからの彼とのデートは、週に一、二回ほどのペースで続くことになった。
いつもより早く会えるかもしれない、と事前に連絡があったその日の夕方、仕事を終えてロッカーを開けた私は早速携帯の画面を開いた。宗輔からのメッセージが入っていた。
『今日はもうすぐ帰れる。食事に行こう』
嬉しくなって頬が緩んだ。久美子と戸田がまだ来ていなくて良かったと思う。もしもこんな所を二人に見られたら、きっと彼女たちの目はごまかせない。近くの書店で待つと、大急ぎでメッセージを返し終えた時だった。
「お疲れ様!」
久美子と戸田が口々に言いながら入って来た。
危なかった、と顔を引き締める。そそくさと身支度を終えた私は二人に挨拶を返し、ロッカールームを後にした。
会社を出た私は、通りを少し歩いた先にある書店に入った。宗輔が来るまでと 思いながら、旅行雑誌を手に取る。ぱらぱらとめくりアジアのビーチのページを眺め始めた時、バッグの中で携帯が振動した。急いで手に取ってみた画面には、宗輔からメッセージが入ったこと知らせる通知が表示されていた。書店の駐車場に着いたようだ。