純愛以上、溺愛以上〜無愛想から始まった社長令息の豹変愛は彼女を甘く包み込む~
言い淀む私に宗輔は訊ねる。
「だけど、なに?」
「付き合い始めてからまだひと月くらいしかたっていないのに、もうこんなことを考えてるなんて……。気が早いし重いんじゃないか、って」
「そんなのは可愛いものさ。俺の方がずっと重いだろ」
宗輔はふっと笑った。
「付き合い出したのは最近のことでも、俺たちが出会ったのはもうずっと前だ。それに、佳奈がそんな風に思っていたのなら、今、はっきり伝えておく。俺は、佳奈以外の人と付き合う気も、結婚する気もない。――だから、もう一度改めて言う。俺と、結婚を前提につき合ってほしい。俺はそのつもりでいるし、佳奈が不安に思うことは、一つずつ一緒に解決していきたいと思ってる」
真剣な目で見つめられて、私は確かめるように彼の顔をのぞき込む。
「宗輔さんは、本当に私でいいの……?」
「佳奈がいいんだ。今の言葉だけで信じられないって言うんなら、佳奈が信じてくれるまで言い続けようか。――俺が好きなのは君だけだ。ずっと手に入れたかったのは佳奈だ。その目も、唇も、声も、表情も、仕草も、その性格も、すべてが愛おしいんだ――」
「……もう、十分です……」
宗輔の口が紡ぎ出す甘い言葉に耐え切れず、私は彼の口を手で塞いだ。
私の手をそっと外して宗輔は問う。
「佳奈こそどうなんだ。俺のこと、本当に好きなのか?俺で、いいのか?」
「当たり前でしょ。だから私は、こうして宗輔さんの傍にいるんだもの。あなたのように上手に言葉にできないけれど、私もあなた以外の人なんて考えられない。ずっと一緒にいたいと思ってる」
「それなら……佳奈の返事、改めて聞かせてくれないか」
「私の返事はもちろん――」
宗輔の首に腕を回して、私は言った。
「はい」
宗輔は私の体に腕を回して、きゅっと抱き締めた。