天国と繋ぐ携帯電話
「そうちゃん!ただいま!今日ね、高校の入学式だったんだ!私ももう高校2年生!成績は……中くらいだったかな……うん」
私ーーー西条美桜(さいじょう みおう)は畳の部屋にある座布団に座ると、校章入のスクールバックを高々に見せびらかした。
「でも今に見ててよ!私、学年トップの成績とって首席卒業!とかしちゃうからさ。え?無理って?私だってやれば出来るんだからね!」
そう話していると、そうちゃんーーー山瀬宗一(やませ そういち)のお母さんーーー山瀬花子(やませ はなこ)が障子を開けては
「美桜ちゃんいらっしゃい。今日入学式だったんでしょう?悪いわねぇ。これ良ければ飲んでちょうだい?」
と、コップに注いだキンキンのオレンジジュースを持ってきてくれた。それを私は快く受け取り、暇なくらいですよ……と花子おばさんの対面へ移動する。
花子おばさんはお母さんの中学からのお友達で、私とは物心つく以前からの仲だ。そんな花子おばさんの子供がそうちゃんで、私と同い年の男の子。
私と背丈が変わらなくて幼い顔つきから君よりもちゃんが良く似合う。
泣き虫だけどしっかりもので、優しくて、頭も良くて、運動神経抜群……非の打ち所がない完璧幼馴染だ。
そんなだからそうちゃんはとてもモテる。クラスの女子過半数の初恋を奪ったほどである。
完璧初恋キラーなそうちゃんは言わずもがな、私の初恋をまんまと奪い、片思い歴だけでいえば10年はくだらないだろう。
幼稚園の頃の好きをカウントしてもいいなら、12年間は片思いを拗らせている。
「宗一も生きていれば、美桜ちゃんと同じ高校に言ってたのかしら……でもあの子、少し抜けているところあるから入試落ちてたかもね」
そう片思い歴12年目……そうちゃんが生きていたら。
「でもそうちゃん、そういうところは抜け目なかったから私よりもランクが上の高校に入学してますよ。きっと」
私と花子おばさんはそうちゃんの仏壇へ視線を向けると、
「あっという間だったような、まだな気もするわ。あの子が死んで4年目なんて」
花子おばさんは線香を刺した。
私ーーー西条美桜(さいじょう みおう)は畳の部屋にある座布団に座ると、校章入のスクールバックを高々に見せびらかした。
「でも今に見ててよ!私、学年トップの成績とって首席卒業!とかしちゃうからさ。え?無理って?私だってやれば出来るんだからね!」
そう話していると、そうちゃんーーー山瀬宗一(やませ そういち)のお母さんーーー山瀬花子(やませ はなこ)が障子を開けては
「美桜ちゃんいらっしゃい。今日入学式だったんでしょう?悪いわねぇ。これ良ければ飲んでちょうだい?」
と、コップに注いだキンキンのオレンジジュースを持ってきてくれた。それを私は快く受け取り、暇なくらいですよ……と花子おばさんの対面へ移動する。
花子おばさんはお母さんの中学からのお友達で、私とは物心つく以前からの仲だ。そんな花子おばさんの子供がそうちゃんで、私と同い年の男の子。
私と背丈が変わらなくて幼い顔つきから君よりもちゃんが良く似合う。
泣き虫だけどしっかりもので、優しくて、頭も良くて、運動神経抜群……非の打ち所がない完璧幼馴染だ。
そんなだからそうちゃんはとてもモテる。クラスの女子過半数の初恋を奪ったほどである。
完璧初恋キラーなそうちゃんは言わずもがな、私の初恋をまんまと奪い、片思い歴だけでいえば10年はくだらないだろう。
幼稚園の頃の好きをカウントしてもいいなら、12年間は片思いを拗らせている。
「宗一も生きていれば、美桜ちゃんと同じ高校に言ってたのかしら……でもあの子、少し抜けているところあるから入試落ちてたかもね」
そう片思い歴12年目……そうちゃんが生きていたら。
「でもそうちゃん、そういうところは抜け目なかったから私よりもランクが上の高校に入学してますよ。きっと」
私と花子おばさんはそうちゃんの仏壇へ視線を向けると、
「あっという間だったような、まだな気もするわ。あの子が死んで4年目なんて」
花子おばさんは線香を刺した。
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