天国と繋ぐ携帯電話
開くとパカッと音がするそれは今では持っている人が絶滅危惧種なのでは無いかと思う廃盤になった物。


スマホが主流となった今、この田舎町でも少ない。


おばあちゃんですらお父さんに言われてスマホを買ったくらいだ。


誰かが落としたのかな……そう拾ってみると、


ーーープルプルプル


バイブと同時に着信がかかってきた。


落とした誰かが誰かのを借りて、探しているのだろうか。


私がガラケーを開くと、そこに載っていたのは……


「070……これってそうちゃんの番号」


間違えるはずがない。もうかかってくるはずがない番号を何度も何度も待った……あの番号。


暫くすると、何故か画面は通話状態になって、雑音が数秒続くと


「久しぶり、美桜」


そうちゃんの声がした。


まだ声変わり前の少し高い優しい声。もう聞けることなんて無いと思っていた懐かしい……胸をトクンと鳴らす魔法の声。
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