ハニーレモンとビターチョコ〜双子の兄の溺愛注意報〜
依蓮くんはじっとわたしの目を見て尋ねた。
とても真剣な眼差しだった。
「今?今は……」
「やっぱりいいや」
途中で依蓮くんが遮る。
「ごめん、変なこと聞いて」
「ううん」
やっぱり依蓮くん、亜蘭くんと会ってからちょっと様子が違う気がするな……。
* * *
学校に着いたら、何だか校庭に人だかりができていた。
それも女の子ばかりが集まってる。どうしたんだろう?
「おっ、莉茉!」
人たがりの中心にいたのは亜蘭くんだった。
亜蘭くんはわたしに気づくと、左手を挙げて呼びかける。
「亜蘭くん」
「ちょうどよかった。俺のクラス2-Eらしいから案内してくれよ」
「えっ、わたしが!?」
一年なのに二年生のクラスまで案内するの!?
「おう」
「いやそれなら依蓮くんのが」
「俺はお前に頼んでるんだよ、莉茉」
亜蘭くんはわたしに拒否権はないとでも言いたげに微笑んでいる。
亜蘭くんの偉そうなところも変わってないな!
「わかったよ」
「よろしく」
ちなみに依蓮くんはA組なので教室は離れてる。
それでも同じ階なのだから圧倒的に近いけどね。