ハニーレモンとビターチョコ〜双子の兄の溺愛注意報〜


「誰!?めちゃくちゃイケメンなんだけど!」
「二年だよね?あの一年は何なの?」


 周囲からの視線の刺さること、刺さること。
 みんなが亜蘭くんに夢中だし、その隣を歩くわたしに対しては邪魔者を見ている視線だ。

 まあ、それも慣れてるんだけどね。

 依蓮くんと一緒にいる時も妹だとわかるまでは、こんな視線を向けられていたし。
 ちなみにわたしと依蓮くんが義理の兄妹ってことはココちゃんにしか話してない。ココちゃんに言ったら、他の人には黙っていた方がいいと言われてそうしてる。


「あっ!甘木くんおはよう!」
「副会長おはようございます!」


 その依蓮くんの周りにも人だかりができていた。
 チラッと振り返ったが、依蓮くんファンに取り囲まれていて身動きできなそうだ。

 ごめんね、依蓮くん。
 何となく視線を送り、わたしは亜蘭くんを教室まで案内した。


「えっ誰あのイケメン!?」
「カッコ良すぎない!?」


 そして亜蘭くんはとにかく目立つ。
 廊下を歩くだけですれ違う子みんなが亜蘭くんに見惚れてる。

 ほんとに亜蘭くん、すごくカッコいいもんね……。
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