ハニーレモンとビターチョコ〜双子の兄の溺愛注意報〜
鞄の中をあさってみても、体操着を入れた袋がない。
スイーツ手帳はしっかり三冊入ってるのに、どこにもない……!!
「いやスイーツ手帳はいらないだろ」
「やばーーい!!どうしよう!?」
わたしってば、ドジ。
いっつもこうなんだから、またお母さんに怒られちゃうな……。
「――莉茉ちゃん!」
落ち込んでいると、廊下からわたしを呼ぶ声がした。
振り返れば、今日も一段とキラキラした爽やかすぎるオーラに当てられる。
「依蓮くん!」
「おはよ。体操着忘れたの?」
「そうなの〜!!どうしよう!?」
「何時間目?」
「三時間目……」
「じゃあ俺の貸すよ」
「本当に!?」
「うん、後で持ってくるね」
「救世主〜!!ありがとう!!」
「どういたしまして。じゃあ、後でね」
「ほんとにありがとう〜!!」
立ち去る姿までが爽やかすぎる。
ハニー色のふわふわした髪の毛、とろけるプディングみたいに優しい笑顔。
甘いスイーツみたいな彼は、依蓮くん。
一つ上のわたしのお兄ちゃん。