ハニーレモンとビターチョコ〜双子の兄の溺愛注意報〜


 あの頃より、大人になれたってこと……?

 いやいや、それにしてもあり得ないよ!!
 だって亜蘭くん、編入初日でファンクラブができる程モテモテなんだよ!?

 他にかわいい子いっぱいいそうなのに……っ。


「どうしたらいいの!?」


 こんな展開は予想外すぎる!!
 今すぐココちゃんに電話したいけど、今は部活やってる時間だしなぁ……。


「――莉茉ちゃん?」

「うわあっ!?」


 急にドアの外から呼ばれて飛び上がる程驚いた。
 ドアの外から依蓮くんの申し訳なさそうな声がする。


「ごめん、ノックしたけど反応がなかったから……」

「いやこちらこそごめん!どうしたの?」


 わたしははやる気持ちを落ち着かせながら、ドアを開けた。


「莉茉ちゃん、今日亜蘭と帰ったの?」

「えっ!?えーと、うん」

「そうなんだ」


 何となく依蓮くんの表情が暗いのを察して、わたしは慌てて謝った。


「ごめんね!朝も先に行っちゃって。亜蘭くんが強引に……」

「ううん、こっちこそ亜蘭が迷惑かけてたらごめんね」

「そんなことないよ!変わってないなぁって感じだったし!」

「……莉茉ちゃん、顔赤くない?」


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