ハニーレモンとビターチョコ〜双子の兄の溺愛注意報〜


 家族旅行に行ったりもして、わたしたちは仲の良い家族だと思う。
 依蓮くんとも仲の良い兄妹になれていると思っていた。

 でも、そう思っていたのはわたしだけだったのかな――?


「ごちそうさま」


 先に食べ終わった依蓮くんが席を立った。


「依蓮くん、おかわりは?」
「大丈夫。もうすぐ試験近いから勉強しなきゃ」
「本当に依蓮くんはしっかりしてるわよね。莉茉、あんたも勉強しなさいよ」


 お母さんの声はあまり聞こえていなかった。

 あの後、ちょうどお母さんが帰って来た。
 お父さんがワッフルを買ってきてくれたこともあり、依蓮くんと二人では話せていない。

 両親の前だからかもしれないけど、依蓮くんは至って普通だった。
 わたしはこんなにも胸がいっぱいで、気になって気になって仕方ないのに。

 てかわたし、亜蘭くんにも告白っぽいこと言われてしまって、その上依蓮くんもって……何!?
 一体何が起きてるの!?

 二人とどんな顔すればいいのかわからないよ!!


「……莉茉ちゃん」

「うわあっ!?」
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