ハニーレモンとビターチョコ〜双子の兄の溺愛注意報〜


 その時、わたしは察してしまった。

 もう前みたいな兄妹にはなれない。
 依蓮くんはもう、お兄ちゃんにはなれないんだ――。


 * * *


「ココちゃん、おはよう……」
「おはよ……ってどうした莉茉!!目の下すごいクマじゃない!」
「全然寝れなくて……」


 翌日、ほとんど寝れなかったわたしの顔は酷いものだった。
 とりあえず昨日の出来事を洗いざらい話し、全部ココちゃんに聞いてもらいました。


「なんであんた一人で乙女ゲームしてんの?」


 一発目に出てくる感想がそれなの、流石ココちゃんだな。


「莉茉ってもしかして、前世は乙女ゲーのヒロインだったんじゃないの?」

「そんなわけないよ!!てかもう、どうしたらいいのっ!?」


 こんなことになるなんて思ってなかったから、頭がパンクしそうだよ!!


「例えるのなら、ホイップクリームマシマシにしたつもりが、同時にカスタードクリームまで襲いかかってきたって感じ!!」

「いや意味わからん」


 とにかくそれくらい大事件ってことなのだ!!
 パニック状態のわたしに対し、ココちゃんはいつも通り冷静だった。
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