ハニーレモンとビターチョコ〜双子の兄の溺愛注意報〜
……………あれ?
亜蘭くん、今なんて……
「これ、ホチキス止めるのよろしく」
「……あ、はい」
亜蘭くんに渡されたプログラムをパチンパチンとホチキスで止めていく。
しばらくホチキスの音だけが部屋の中に響いていく。
「――いやいやいやっ!!ホチキス止めてる場合ではないよね!?」
「は?止めてる場合なんだよ」
「そうじゃなくてっ!!亜蘭くん、わたしのこと好きなの!?」
「そんなことかよ」
そんなことって!!わたしにとっては大事なことなんですけど!?
「好き」
「っ!?」
「――って言ったら、どうすんの?」
ニヤッと意地悪く微笑む亜蘭くん。
この笑顔は子どもの頃から何度も見た、わたしをからかって楽しんでいる時の表情だ。
やっぱり本気なんかじゃない!
「からかうのはやめてよっ!」
「だって昔から莉茉のリアクションがおもしれーんだもん」
「もうっ!!」
「そういうところが昔からかわいくて好きなんだよな」
「だ、だからぁ……」
冗談でもそういうこと言うのは――
「本気だよ」