ハニーレモンとビターチョコ〜双子の兄の溺愛注意報〜


 急に背後から誰かに腕を引っ張られ、少しよろめきそうになった。
 でも、転ばずにしっかりと支えてくれた。


「なんでお前が出しゃばってくるんだよ――依蓮」

「……」


 いつの間にか依蓮くんの腕の中にいた。
 依蓮くんの腕は細いように見えて意外とがっしりしている。

 かと思えば、グイッと片方の腕を亜蘭くんに引っ張られた。


「兄貴ぶってんな、ウゼェ」

「違う、俺も莉茉ちゃんが好きなんだ」

「!」


 えっ依蓮くんまで何を言い出すの!?


「女の子として莉茉ちゃんが好きだ。だから誰にも譲りたくない」

「は?でもお前は兄貴だろうが」

「血は繋がってないんだから問題ないよ」


 そう言って再度私の腕を引っ張る依蓮くん。
 二人ともに腕を掴まれて、もはや私の頭はパニック状態だ。


「莉茉は俺のなんだよ。ずっと前からな」


 そうなんですか!?


「……出たよ、亜蘭のその傲慢さ。昔から変わってないんだね」

「お前は変わったみたいだな。昔は言いたいことも言えない弱虫だったくせに」

「……」

「ちょ、ちょっとストップ!!」
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