ハニーレモンとビターチョコ〜双子の兄の溺愛注意報〜

ビターチョコ



「おっ取れた!楽勝じゃん。ほら、やるよ」

「うわっ!」

「お前にそっくりだろ?」


 亜蘭くんからパスされたのは、まるまる太っていて顔がぶちゃっとしている猫のぬいぐるみだった。
 ちょ、わたしこれにそっくりなの!?


「かわいくないじゃん!!」
「かわいいじゃん。ブサカワ」
「ブサがつくじゃん!!」


 わたしは今、亜蘭くんとゲームセンターに来ています。
 何故かというと、放課後急に亜蘭くんに「付き合え」と言われて連れて来られたからです。

 ちなみに依蓮くんは生徒会のお仕事で遅くなるのだそう。

 それを狙ってかどうなのかわからないけど、強引に連れ出されて今に至り、亜蘭くんがUFOキャッチャーをしてるところを眺めていた。

 亜蘭くん、UFOキャッチャーも得意なんだ。
 本当に器用なんだな。


「莉茉、これ撮ろうぜ。プリ」
「えっ、プリ!?」
「ほら入るぞ」
「あっちょっと!!」


 亜蘭くんに連れて行かれて、プリ機の一つの中に入る。
 もちろんプリは友達となら撮ったことあるけど、男の子となんて初めてだ。
 しかも亜蘭くんとなんて……!!
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