ハニーレモンとビターチョコ〜双子の兄の溺愛注意報〜
ハニーレモン
パンケーキはおいしくてものすごく大満足だったけど、亜蘭くんと別れてからも亜蘭くんのことが頭から離れない。
いつもは食べ終わったスイーツの味を思い出しながら帰るのに!わたしってばどうしちゃったの!?
ドキドキソワソワしながらの帰り道、お母さんからの電話で我に返った。
「もしもし?」
『もしもし、莉茉?実はね、おじいちゃんが階段から落ちて足を挫いちゃったみたいなのよ』
「えっ!?おじいちゃん大丈夫なの!?」
『軽い捻挫だってことだけど、心配だから今日はおじいちゃんのところに泊まるわね』
「うん、わかった。お大事にって言っておいてね」
『ええ。お父さんも今日から出張でいないから、依蓮くんと二人でよろしくね』
「ええっ!?」
そっか、お父さんも今夜はいないんだった!
ということは、依蓮くんと二人きり!?
『依蓮くんの言うことちゃんと聞くのよ。じゃあね』
電話は切れたけど、わたしの気持ちはまだ追いついてない。
思えば家族になって、依蓮くんと家で二人きりになるのは初めてだ。