ハニーレモンとビターチョコ〜双子の兄の溺愛注意報〜


 パクッと一口食べてみて、まずびっくりしてしまった。
 ふわふわとろとろの卵に包まれたケチャップライス。程よい甘さとしょっぱさのバランスが良すぎて……これ本当に依蓮くんが作ったの!?


「……」

「莉茉ちゃん、もしかしておいしくなかった?」

「あっ!ごめん、あまりにもおいしくて固まってた!」


 何これ!おいしすぎる!!
 今まで食べたオムライスの中でも格別かもしれない!


「すごくおいしいよ!!ほんとにね、わたしの好みの味でびっくりしてる。依蓮くん天才?」

「よかった……喜んでもらえて」


 ホッとしたように胸を撫で下ろす依蓮くんに、キュンとしてしまう。

 てゆうか、依蓮くんと普通にしゃべれてるな……?
 料理中はわたしのポカがひどくてそれどころじゃなかったというのもあるけど。

 もしかしてわたしの気にしすぎだったのかも。


「ほんとにおいひ〜」

「莉茉ちゃん、ほっぺについてるよ」

「こっち?」

「ううん、ここ」


 依蓮くんの長い指がわたしの右頬に触れる。
 弧を描くようにすくい取られ、そのままペロッと舐める依蓮くん。


「ふふっ、かわいい」


 え、え、エロくない!?!?
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