ハニーレモンとビターチョコ〜双子の兄の溺愛注意報〜
な、何今の!?
依蓮くんっぽくなかった。
今までわたしがどんなに顔にご飯粒つけようが、「もっと右だよ」とか言って触るなんてこと絶対しなかったのに。
「……っ」
やっぱり、いつも通りではないんだな――……。
てかなんでさっきの、あんなにエロいって思っちゃったんだろう……。
なんか今まで見たことないような色気があったんだけど……。
いや違うな、依蓮くんが見せないようにしていたんだ。
“お兄ちゃん”でいてくれようとしていたから。
「ごちそうさまでした」
「ごちそうさまでした」
「片づけはわたしがやるねっ」
「あっ莉茉ちゃん」
せめて洗い物はわたしがやって挽回しなきゃ!と思ってお皿を流し台に運ぼうとしたら――、
「うわっ」
「危ない!」
椅子に足を引っかけて転びそうになった。
すぐに依蓮くんが支えてくれたおかげで、お皿も割れずに無事だったけど。
「大丈夫?」
「うん、ごめんね……」
――か、顔が近い……!
てか今依蓮くんに抱き止められた感じになってる!?
「ありがとう!もう大丈夫だからっ」