ハニーレモンとビターチョコ〜双子の兄の溺愛注意報〜
「……そうなんだ」
亜蘭くんからだとわかった途端、依蓮くんの表情から笑顔が消えたのがわかったので、慌てて説明した。
「今日急に遊びに行くぞって連れて行かれて、依蓮くんは生徒会のお仕事があったから、その」
あれ?なんでわたし言い訳してるんだろう?
「別に気にしてないよ。亜蘭も莉茉ちゃんのことが好きなんだし、そうなるよね」
「うう……」
「まあ、気にしないは嘘か……正直妬けるし」
や、やける!?
やけるってもしかして、ヤキモチってこと……?
「ああもう、ほんと俺ってダサいよな」
依蓮くんはガシガシと頭を掻く。
その表情はなんていえばいいのか、ブラックコーヒーみたいに苦々しい表情をしている。
「好きな子の前ではカッコよくありたいのに、全然余裕ないや」
「っ、依蓮くんは……いつからわたしのこと好きなの……?」
「一緒に暮らすようになって段々と……かな」
両親が再婚したばかりの頃から?そんなに前からだったの?
「実は一個下の妹ができるって聞いた時、結構緊張してたんだ。新しい母親とだって仲良くできるか不安だったのに、その上妹もかぁって。
でも、初めて会った時莉茉ちゃんがすごく明るく話しかけてくれて、嬉しかったんだ」