ハニーレモンとビターチョコ〜双子の兄の溺愛注意報〜


「……そうなんだ」


 亜蘭くんからだとわかった途端、依蓮くんの表情から笑顔が消えたのがわかったので、慌てて説明した。


「今日急に遊びに行くぞって連れて行かれて、依蓮くんは生徒会のお仕事があったから、その」


 あれ?なんでわたし言い訳してるんだろう?


「別に気にしてないよ。亜蘭も莉茉ちゃんのことが好きなんだし、そうなるよね」

「うう……」

「まあ、気にしないは嘘か……正直妬けるし」


 や、やける!?
 やけるってもしかして、ヤキモチってこと……?


「ああもう、ほんと俺ってダサいよな」


 依蓮くんはガシガシと頭を掻く。
 その表情はなんていえばいいのか、ブラックコーヒーみたいに苦々しい表情をしている。


「好きな子の前ではカッコよくありたいのに、全然余裕ないや」

「っ、依蓮くんは……いつからわたしのこと好きなの……?」

「一緒に暮らすようになって段々と……かな」


 両親が再婚したばかりの頃から?そんなに前からだったの?


「実は一個下の妹ができるって聞いた時、結構緊張してたんだ。新しい母親とだって仲良くできるか不安だったのに、その上妹もかぁって。
でも、初めて会った時莉茉ちゃんがすごく明るく話しかけてくれて、嬉しかったんだ」
< 59 / 62 >

この作品をシェア

pagetop