ハニーレモンとビターチョコ〜双子の兄の溺愛注意報〜


「なんだ、そんなことかよ」


 亜蘭くん!?そ、そんなこと!?


「なんかもっとヤバいことかと思ったわ」
「ヤバいって……!」
「莉茉、別に俺たち今すぐどっちかに決めろなんて言ってねぇけど?」


 え……?


「莉茉ちゃんを困らせてるのはわかってるからね」
「え、え?」
「そもそも勝負はまだ始まったばかりというか」
「だな」


 勝負はまだ始まったばかりって、依蓮くんまで何を……


「なぁ莉茉、俺たちにドキドキしてるなんて言われて、そう簡単に諦められるわけねぇだろ」
「え?」
「少なくともドキドキしてくれるってことは、脈ありってことなんでしょ?」
「え?」


 あ、あれ……?
 なんかわたしが予想してたのと全然違う。


「莉茉ちゃんはゆっくりじっくり考えてくれたらいいから」
「ま、そのうち俺に惚れたって言わせるけど」
「何言ってるの?莉茉ちゃんは渡さないって言ったよね?」
「ちょ、ちょっと待って!!あの、わたし……!」


 二人とは付き合えないってはっきり言ったよね!?
 わたしの話聞いてました!?


「ここから先は延長戦ってことで」
「これからもよろしくね?」
「〜〜っっ」


 ニッコリと微笑む亜蘭くんと依蓮くん。
 笑い方が似ていて、やっぱり双子なんだと実感した。

 どうやらわたしは逃げられそうもないようです。
 bitter&sweetな双子のお兄ちゃんたちから。

 わたしはこの先、どうなってしまうのでしょうか――?


 fin.

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