月と空と太陽と
①
「月子ー!俺の分のノートもついでに出しといて。」
高階蒼空は そう言って椎名月子にノートを放り投げた。
「ちょっと!投げないでよね。」
そう言いつつ月子はノートをキャッチする。
「部活行くのに急いでるんだよ。悪いなー。」
蒼空はごめんと謝りながらも 部活に行くために机の上を片付けていた。
「遅いな。先行くぞ。」
蒼空に声をかける男子は、幸田太陽。蒼空と同じく陸上部だ。
「待てよー太陽。」
蒼空は慌てて太陽を追いかける。
そんな情景を月子は微笑ましく眺めていた。
高校二年生の放課後のクラスは みんなめいめい忙しそうだった。
月子は教室で、しばらく友達の安藤未奈と話していたが、課題の提出物であるノートを職員室に持っていくために 一旦 未奈とのおしゃべりは中断した。
蒼空の分も一緒にノートを持つ。
蒼空とは高校一年生の時から同じクラスで、何でも言い合える仲だった。
職員室を出て、廊下を歩きながらグラウンドを見ると 蒼空と太陽が陸上部の練習をしていた。
しばらく立ち止まってその風景を眺める。
長身の二人は 遠目でもすぐに分かるほど目立っていた。
そういえば 中学の時もこうやって練習風景を見ていたっけ……。
月子と蒼空は同じ中学だった。
月子は中学の時から蒼空をいつも眺めていた。
その当時は話したこともなく、蒼空は月子の存在も知ってなかっただろう。
風の噂で蒼空がこの高校を受験することを知り、月子も頑張って同じ高校を受験して見事合格した。
そして、ようやく『友達』として蒼空と近い関係になったのだ。
蒼空が月子に気付き、手を振る。
月子は 小さく手を振り返す。
おもわず笑顔になる。
こんなふうに関わりあえることが嬉しかった。
毎日 同じ教室で 蒼空の近くにいられることが幸せだった。
月子は教室で待っている未奈の元に急いだ。
高階蒼空は そう言って椎名月子にノートを放り投げた。
「ちょっと!投げないでよね。」
そう言いつつ月子はノートをキャッチする。
「部活行くのに急いでるんだよ。悪いなー。」
蒼空はごめんと謝りながらも 部活に行くために机の上を片付けていた。
「遅いな。先行くぞ。」
蒼空に声をかける男子は、幸田太陽。蒼空と同じく陸上部だ。
「待てよー太陽。」
蒼空は慌てて太陽を追いかける。
そんな情景を月子は微笑ましく眺めていた。
高校二年生の放課後のクラスは みんなめいめい忙しそうだった。
月子は教室で、しばらく友達の安藤未奈と話していたが、課題の提出物であるノートを職員室に持っていくために 一旦 未奈とのおしゃべりは中断した。
蒼空の分も一緒にノートを持つ。
蒼空とは高校一年生の時から同じクラスで、何でも言い合える仲だった。
職員室を出て、廊下を歩きながらグラウンドを見ると 蒼空と太陽が陸上部の練習をしていた。
しばらく立ち止まってその風景を眺める。
長身の二人は 遠目でもすぐに分かるほど目立っていた。
そういえば 中学の時もこうやって練習風景を見ていたっけ……。
月子と蒼空は同じ中学だった。
月子は中学の時から蒼空をいつも眺めていた。
その当時は話したこともなく、蒼空は月子の存在も知ってなかっただろう。
風の噂で蒼空がこの高校を受験することを知り、月子も頑張って同じ高校を受験して見事合格した。
そして、ようやく『友達』として蒼空と近い関係になったのだ。
蒼空が月子に気付き、手を振る。
月子は 小さく手を振り返す。
おもわず笑顔になる。
こんなふうに関わりあえることが嬉しかった。
毎日 同じ教室で 蒼空の近くにいられることが幸せだった。
月子は教室で待っている未奈の元に急いだ。