好きが故に欺いて〜罠に嵌められた私を待ち受ける甘い愛〜
コラボカフェに行く約束を交わした後、私はなんだかそわそわと妙に心が落ち着かない。
勢いで返事をしてしまったけど、男性と出かけるなんていつぶりだろう。
それに、休みの日に千歳さんと出掛けるなんて現実味のないことだった。
胸の鼓動は落ち着いてくれなくて、いつまでもうるさいままだった。
千歳さんとコラボカフェに行く当日は、クローゼットから服たちを並べて吟味した。
会社ではオフィスカジュアルスタイルで、細身のパンツにシャツという定番の服装が多い。
なんとなく会社とは違う服装にしたくて、ワンピースを選んだ。
ふわりとスカートを揺らしながら、待ち合わせ場所へと向かう。
透き通るような青い空を見上げると、足取りも軽くなる。
辿り着いた目的地であるカフェには、すでに行列が出来ていた。
並んでいる人だかりを見ると、年齢層は若く、学生と思われるかわいらしい女の子たちや、カップルが多かった。
その最後尾に、すらりと立つ長身の男性がすぐに視界に入った。
千歳さんだ。
ラフな白いロンTに、細身のパンツを履いていて、シンプルな服装だが、千歳さんのスタイルの良さが際立っていた。
行列に並ぶ女性たちの中に、長身の千歳さんが一人でいるので、ひそひそと彼を見ながら湧き立つ声も聞こえてきた。