好きが故に欺いて〜罠に嵌められた私を待ち受ける甘い愛〜


 明るく開放的な店内は、うさぽんの装飾が施され、活気に満ちていた。
 メニュー表を見ると、さらに感情が波立つ。

「わー。うさぽんがたくさん!かわいいですね」

 メニュー表には、うさぽんとコラボ限定メニューが写真付きで乗っていた。
 オムライスセット。パフェ、ケーキなど。すべてにうさぽんが施されていた。

 全部注文したいところだったが、なんとか欲を抑え込み注文した。
 
 並べて記念写真を撮りたかったので、注文したオムライスと同じタイミングでケーキを持ってきてもらうようにお願いをした。
 
 店員さんが運んできたコラボ料理を目の前にして、その可愛さに言葉を失う。
 オムライスも、千歳さんが頼んだカレーもうさぽんの顔が描かれていて、すぐに写真に収めたい衝動にかられた。

 特に感情の熱が高まったのは「うさぽん甘々ケーキ」と名付けられた一番人気と記載があったケーキだった。 
 うさぽんカラーであるピンクのクリームが全面に塗られたショートケーキは、悶絶してしまうほどのかわいさだ。

「か、か、かっわいい~」

 運ばれてきたケーキの可愛さを噛み締め、一心不乱にスマホのカメラのシャッターをボタンを押す。
 テーブルに並べられたコラボ料理を写真に収め、高揚感で満たされ胸がいっぱいになる。

 それは千歳さんも同じだったようで、私よりも真剣な瞳でスマホのカメラのシャッターを押していた。
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