凄腕パイロットは12年越しの溢れる深愛を解き放つ
「ここで一緒に暮らさない?」
驚いて、体からスッと力が抜けていくのが分かる。
目を泳がせながら、ゆっくりのぼっていく視線が彼をとらえたとき、真剣な瞳が真っすぐこちらを見つめていた。
「静菜、好きだ」
ずっと、この言葉が聞きたかった。彼と出会って恋をした高校生のあの日から、欲しかったのはこの言葉だけだった。
自然と涙があふれ出す。
そんな私を困ったように見つめる彼は「泣き虫だな」と笑った。
「どうしよう、嬉しいです」
「それはイエスと受け取っていいのかな」
私は彼の胸に飛び込んで、こくりと頷く。
幸せで、幸せすぎて、この時間が一生続いてほしいと思った。