略奪☆エルダーボーイ
加藤 伊吹side
翌日──
いつものように家を出ると黒瀬さんが家の前で待っていた。
「おはよう、伊吹ちゃん」
「お、おはようございます・・・」
私に気付いた黒瀬さんはこちらに視線を向けて嬉しそうに優しく微笑みかける。
その表情を見た時ドキッと胸が高鳴り、思わず目をそらす。
「・・・どうしたの?」
「いえ、なんでもないです」
ふいっと視線を逸らしながら黒瀬さんの隣に行って並んで歩く。
黒瀬さんが紛らわしい行動だったり言動だったりをするから調子が狂う。
「前に渡したルール本、どうだった?」
私の調子を狂わせてる張本人は、そんなこと気付きもせずに私に話しかけてくる。
以前、ルールがよく分からないと伝えた時に黒瀬さんが持っていた本を譲ってくれたのだ。
それに目を通したけど、黒瀬さんが初心者でもわかりやすく解説を本に書いてくれてたみたいで、覚えやすかった。
「覚えやすかったです。ありがとうございます、色々加筆してくれて・・・」
「そのくらい当然だよ。どう、今週の大会行けそ?」
「はい、なんとか」
大会には、私も監督達と一緒に同席することになった。
だからこそ、私に必要最低限のルールを叩き込まなきゃいけなくて・・・。
覚えること自体はそう難しくないけど、もらったのが最近だから覚えるのに四苦八苦した。
「ちょっと覚える期間が短いかなって思ったけど・・・さすがだね。偉い偉い」
「ちょっ・・・なんで頭撫でるんですか・・・!」
「頑張って沢山覚えてくれたからね。労いを兼ねて」
優しげでどこか甘い表情を浮かべながら私の頭を撫で続ける黒瀬さん。
「・・・そうですか・・・」
黒瀬さんから視線を逸らしながら大人しく黒瀬さんの行動を受け入れる。
身長が高いせいで頭を撫でられる経験がそんなにないからどう反応していいか分からない。
黒瀬さんが散々撫でてくるから多少は慣れたけど・・・やっぱり、撫でられるのはちょっと恥ずかしい。
それに・・・黒瀬さんの表情・・・なんか、いつもより甘い気がする。
この表現が合ってるかは分からないけど・・・そんな感じ。
「・・・それにしても・・・ホント、伊吹ちゃんって髪サラサラだよね」
「そ、そうですか?」
頭から手を離してしみじみと呟く黒瀬さん。
私の髪の毛、はねやすいからまとまりない感じなんだけどな。
「うん、俺は好きだな。伊吹ちゃんの髪」
「あ、ありがとうございます・・・」
サイドの髪をいじりながら黒瀬さんから視線を逸らしてお礼を言う。
なんか・・・気恥しい。
翌日──
いつものように家を出ると黒瀬さんが家の前で待っていた。
「おはよう、伊吹ちゃん」
「お、おはようございます・・・」
私に気付いた黒瀬さんはこちらに視線を向けて嬉しそうに優しく微笑みかける。
その表情を見た時ドキッと胸が高鳴り、思わず目をそらす。
「・・・どうしたの?」
「いえ、なんでもないです」
ふいっと視線を逸らしながら黒瀬さんの隣に行って並んで歩く。
黒瀬さんが紛らわしい行動だったり言動だったりをするから調子が狂う。
「前に渡したルール本、どうだった?」
私の調子を狂わせてる張本人は、そんなこと気付きもせずに私に話しかけてくる。
以前、ルールがよく分からないと伝えた時に黒瀬さんが持っていた本を譲ってくれたのだ。
それに目を通したけど、黒瀬さんが初心者でもわかりやすく解説を本に書いてくれてたみたいで、覚えやすかった。
「覚えやすかったです。ありがとうございます、色々加筆してくれて・・・」
「そのくらい当然だよ。どう、今週の大会行けそ?」
「はい、なんとか」
大会には、私も監督達と一緒に同席することになった。
だからこそ、私に必要最低限のルールを叩き込まなきゃいけなくて・・・。
覚えること自体はそう難しくないけど、もらったのが最近だから覚えるのに四苦八苦した。
「ちょっと覚える期間が短いかなって思ったけど・・・さすがだね。偉い偉い」
「ちょっ・・・なんで頭撫でるんですか・・・!」
「頑張って沢山覚えてくれたからね。労いを兼ねて」
優しげでどこか甘い表情を浮かべながら私の頭を撫で続ける黒瀬さん。
「・・・そうですか・・・」
黒瀬さんから視線を逸らしながら大人しく黒瀬さんの行動を受け入れる。
身長が高いせいで頭を撫でられる経験がそんなにないからどう反応していいか分からない。
黒瀬さんが散々撫でてくるから多少は慣れたけど・・・やっぱり、撫でられるのはちょっと恥ずかしい。
それに・・・黒瀬さんの表情・・・なんか、いつもより甘い気がする。
この表現が合ってるかは分からないけど・・・そんな感じ。
「・・・それにしても・・・ホント、伊吹ちゃんって髪サラサラだよね」
「そ、そうですか?」
頭から手を離してしみじみと呟く黒瀬さん。
私の髪の毛、はねやすいからまとまりない感じなんだけどな。
「うん、俺は好きだな。伊吹ちゃんの髪」
「あ、ありがとうございます・・・」
サイドの髪をいじりながら黒瀬さんから視線を逸らしてお礼を言う。
なんか・・・気恥しい。