略奪☆エルダーボーイ
黒瀬聡side
朝バスに乗り、伊吹ちゃんを隣に乗せて出発する。
昨日は隣になれなかったから、無理矢理隣に座らせちゃった。
最初は俺の隣に座ることに対して不服そうにしてたけど、俺にとってはどんな形であれ嬉しかった。
本当は、自ら進んで座って欲しいんだけど・・・それは高望みしすぎかな?
そんなことを考えながら軽く会話をしたあと、外を眺める。
伊吹ちゃん、いつも口数は多くないけど・・・今日はいつにも増して少ない気がする。
「ねぇ、伊吹ちゃ──」
名前を呼ぼうとした時、伊吹ちゃんがトンッと肩に寄りかかってきた。
その事で俺の心臓はドキッと高鳴った。
なに!?地球滅ぶの!?
そんなことを考えていると、隣からスー・・・スー・・・と寝息が聞こえてくる。
あ、なんだ・・・寝ちゃったのか。
手持ち無沙汰になった俺は、自分の肩に寄りかかって寝ている伊吹ちゃんのことを見つめる。
「スゥ・・・スゥ・・・」
「・・・ふっ・・・」
あどけない寝顔を見て自然と表情が緩む。
起きたらテンパるんだろうな。
昨日も不慣れな所で頑張ってくれたし・・・疲れたのかな?
まだ会場まで着くのに時間かかるし、寝かせてあげよう。
伊吹ちゃんが俺に自分からくっついてくれるなんて、そうそう無いし。
ご褒美タイムとでも思っておこう。
「なぁ黒瀬〜、今日の相手なんだけど──」
「シーッ・・・伊吹ちゃん寝てるから、声のトーン落として・・・!」
前の席にいる同級生が後ろを向きながら割とデカめの声を出したことに対し、静かにするように小声で注意する。
伊吹ちゃんのことを見てみるけど、今ので起きることは無かった。
良かった・・・起きてない。
「わりぃ・・・!でよ、今日当たるかもしれないチーム、女マネを口説きまくってるって言う噂あるからさ、加藤さん大丈夫かなって」
「あー・・・もう既に遅せぇな。昨日ナンパされてた」
「えっ!?嘘だろ!?もう!?」
「だからっ・・・!!声デケェって・・・!起きちゃうだろ・・・!?」
声をひそめながら相手の声のことを注意する。
そんなの、起きてくださいって言ってるようなもんだ。
「あぁ・・・悪い・・・。でも、もう既に遅いって・・・どうしたんだよ、それ。めっちゃしつこいって話だぞ」
「俺が助けに入って、大会で勝負しようぜって話になった」
昨日起きたことを簡単に話すと、口をパクパクさせて驚いていた。
まぁ、そりゃそうだよな。
俺だって驚いたし。
「・・・マジかよ」
「マジだよ。だから、負けは許されねぇからな」
「そーだな」
そう言って、前を向いて座った。
負けられない・・・よな。
俺達3年の為にも・・・伊吹ちゃんの為にも。
朝バスに乗り、伊吹ちゃんを隣に乗せて出発する。
昨日は隣になれなかったから、無理矢理隣に座らせちゃった。
最初は俺の隣に座ることに対して不服そうにしてたけど、俺にとってはどんな形であれ嬉しかった。
本当は、自ら進んで座って欲しいんだけど・・・それは高望みしすぎかな?
そんなことを考えながら軽く会話をしたあと、外を眺める。
伊吹ちゃん、いつも口数は多くないけど・・・今日はいつにも増して少ない気がする。
「ねぇ、伊吹ちゃ──」
名前を呼ぼうとした時、伊吹ちゃんがトンッと肩に寄りかかってきた。
その事で俺の心臓はドキッと高鳴った。
なに!?地球滅ぶの!?
そんなことを考えていると、隣からスー・・・スー・・・と寝息が聞こえてくる。
あ、なんだ・・・寝ちゃったのか。
手持ち無沙汰になった俺は、自分の肩に寄りかかって寝ている伊吹ちゃんのことを見つめる。
「スゥ・・・スゥ・・・」
「・・・ふっ・・・」
あどけない寝顔を見て自然と表情が緩む。
起きたらテンパるんだろうな。
昨日も不慣れな所で頑張ってくれたし・・・疲れたのかな?
まだ会場まで着くのに時間かかるし、寝かせてあげよう。
伊吹ちゃんが俺に自分からくっついてくれるなんて、そうそう無いし。
ご褒美タイムとでも思っておこう。
「なぁ黒瀬〜、今日の相手なんだけど──」
「シーッ・・・伊吹ちゃん寝てるから、声のトーン落として・・・!」
前の席にいる同級生が後ろを向きながら割とデカめの声を出したことに対し、静かにするように小声で注意する。
伊吹ちゃんのことを見てみるけど、今ので起きることは無かった。
良かった・・・起きてない。
「わりぃ・・・!でよ、今日当たるかもしれないチーム、女マネを口説きまくってるって言う噂あるからさ、加藤さん大丈夫かなって」
「あー・・・もう既に遅せぇな。昨日ナンパされてた」
「えっ!?嘘だろ!?もう!?」
「だからっ・・・!!声デケェって・・・!起きちゃうだろ・・・!?」
声をひそめながら相手の声のことを注意する。
そんなの、起きてくださいって言ってるようなもんだ。
「あぁ・・・悪い・・・。でも、もう既に遅いって・・・どうしたんだよ、それ。めっちゃしつこいって話だぞ」
「俺が助けに入って、大会で勝負しようぜって話になった」
昨日起きたことを簡単に話すと、口をパクパクさせて驚いていた。
まぁ、そりゃそうだよな。
俺だって驚いたし。
「・・・マジかよ」
「マジだよ。だから、負けは許されねぇからな」
「そーだな」
そう言って、前を向いて座った。
負けられない・・・よな。
俺達3年の為にも・・・伊吹ちゃんの為にも。