略奪☆エルダーボーイ
あの後具合が悪くなりながらも、部活が終了する。
正直、お腹痛くて動けない・・・。
着替えなきゃと思いつつも更衣室まで行くことが出来ない。
参ったな・・・いつもはこんなに酷くないんだけど・・・。
しゃがみこみながら、うー・・・と唸りお腹を押さえる。
どんな体勢になっても痛みが引かない。
「伊吹ちゃん、ちょっといい?」
「・・・黒瀬さん・・・」
頭上から声がかかり顔を上げると、そこには黒瀬さんが立っていた。
今、余裕ないんだけどな・・・。
「なんですか・・・?」
「荷物ってどこにある?」
「え・・・更衣室の中に・・・」
「そう、じゃあ入るね」
そういうと、黒瀬さんはためらいなく女子更衣室の扉を開けて私の荷物を持ってくる。
女子でそこ使ってるの私だけだから、別に入られたところでなんとも思わないけど・・・急にどうして?
「荷物、これだけ?」
「あ・・・はい。ありがとうございます・・・」
荷物を受け取ろうとするけど、黒瀬さんはそのまま自分の方に荷物をかけた。
まさか・・・持ってくれる感じ?
先輩にそこまでしてもらうのは気が引けるな。
「あの・・・自分で持ちますんで・・・」
「・・・伊吹ちゃん、立てる?」
「え!?はい・・・立てます──うわ!?」
ゆっくりと立ち上がって荷物に手を伸ばそうとした時フラッとよろめく。
その時、背中と膝の裏に黒瀬さんの腕が伸びてきた。
それと同時に足が地面から離れ、黒瀬さんに抱きかかえられる。
いわゆる、お姫様抱っこってやつだ。
「あっ、あの・・・!!下ろして・・・!!大丈夫なんで・・・!!」
「そんなに顔真っ青にしといて大丈夫なわけないでしょ?実際、立った時フラッとしたし」
「だ、だからってこれは──」
「いいから」
私の言葉を無視して、抱きかかえられながら体育館を出た。
この状態で家まで帰るの〜!?
さすがにまばらになってるとはいえ、まだ帰ってない部員とかもいるのに・・・!!
「・・・恥ずかしい?」
「そ、そりゃあ・・・」
いたたまれない雰囲気の中、私のことを見て余裕そうな表情を浮かべる黒瀬さん。
こっちは恥ずかしくてどうにかなりそうなのに・・・なんでそんなに余裕なの?
「だけど、降ろさないよ。今日はこのまま帰るからね」
「私、重いから・・・黒瀬さんが大変じゃありませんか?」
私は身長もあるし絶対重いだろうに、黒瀬さんはずっとお姫様抱っこをしたまま。
腕、疲れちゃうよ。
「ん?あぁ、そのこと気にしてたの?大丈夫、軽い方だよ。それより、俺の首に手、回して。その方が安定するから」
「えっ・・・!?」
「え!?じゃない。ほら、腕回して」
有無を言わさない黒瀬さんの言葉に、おずおずと腕を回す。
それじゃなくても恥ずかしいのに、また更に恥ずかしい思いをしなきゃいけないなんて・・・!!
「ん、いい子」
私が黒瀬さんの首に手を回すと、満足したように微笑みながら私を見る。
黒瀬さんから視線を逸らし、早く家に着くことを祈った。
正直、お腹痛くて動けない・・・。
着替えなきゃと思いつつも更衣室まで行くことが出来ない。
参ったな・・・いつもはこんなに酷くないんだけど・・・。
しゃがみこみながら、うー・・・と唸りお腹を押さえる。
どんな体勢になっても痛みが引かない。
「伊吹ちゃん、ちょっといい?」
「・・・黒瀬さん・・・」
頭上から声がかかり顔を上げると、そこには黒瀬さんが立っていた。
今、余裕ないんだけどな・・・。
「なんですか・・・?」
「荷物ってどこにある?」
「え・・・更衣室の中に・・・」
「そう、じゃあ入るね」
そういうと、黒瀬さんはためらいなく女子更衣室の扉を開けて私の荷物を持ってくる。
女子でそこ使ってるの私だけだから、別に入られたところでなんとも思わないけど・・・急にどうして?
「荷物、これだけ?」
「あ・・・はい。ありがとうございます・・・」
荷物を受け取ろうとするけど、黒瀬さんはそのまま自分の方に荷物をかけた。
まさか・・・持ってくれる感じ?
先輩にそこまでしてもらうのは気が引けるな。
「あの・・・自分で持ちますんで・・・」
「・・・伊吹ちゃん、立てる?」
「え!?はい・・・立てます──うわ!?」
ゆっくりと立ち上がって荷物に手を伸ばそうとした時フラッとよろめく。
その時、背中と膝の裏に黒瀬さんの腕が伸びてきた。
それと同時に足が地面から離れ、黒瀬さんに抱きかかえられる。
いわゆる、お姫様抱っこってやつだ。
「あっ、あの・・・!!下ろして・・・!!大丈夫なんで・・・!!」
「そんなに顔真っ青にしといて大丈夫なわけないでしょ?実際、立った時フラッとしたし」
「だ、だからってこれは──」
「いいから」
私の言葉を無視して、抱きかかえられながら体育館を出た。
この状態で家まで帰るの〜!?
さすがにまばらになってるとはいえ、まだ帰ってない部員とかもいるのに・・・!!
「・・・恥ずかしい?」
「そ、そりゃあ・・・」
いたたまれない雰囲気の中、私のことを見て余裕そうな表情を浮かべる黒瀬さん。
こっちは恥ずかしくてどうにかなりそうなのに・・・なんでそんなに余裕なの?
「だけど、降ろさないよ。今日はこのまま帰るからね」
「私、重いから・・・黒瀬さんが大変じゃありませんか?」
私は身長もあるし絶対重いだろうに、黒瀬さんはずっとお姫様抱っこをしたまま。
腕、疲れちゃうよ。
「ん?あぁ、そのこと気にしてたの?大丈夫、軽い方だよ。それより、俺の首に手、回して。その方が安定するから」
「えっ・・・!?」
「え!?じゃない。ほら、腕回して」
有無を言わさない黒瀬さんの言葉に、おずおずと腕を回す。
それじゃなくても恥ずかしいのに、また更に恥ずかしい思いをしなきゃいけないなんて・・・!!
「ん、いい子」
私が黒瀬さんの首に手を回すと、満足したように微笑みながら私を見る。
黒瀬さんから視線を逸らし、早く家に着くことを祈った。