略奪☆エルダーボーイ
加藤 伊吹side
朝に怖い思いをしたためか、授業に身が入らなかった。
しかも何故かあの時来てくれた黒瀬さんのことが頭から離れなくて困ってしまう。
こんなこと、今まで無かったのに・・・。
考え事をしながら部活に行くための準備をし始めた。
あの時はなんとも思わなかったけど、よくよく考えたらあんな道端で抱き締められた状態でかなりの時間を過ごしたのだと思うと、今更ながら恥ずかしくなってくる。
しかも、その後に手を繋いで教室まで送って貰ってるのもどうかと思う。
手を繋ぎながら登校するとか、恋人同士がやることじゃん・・・!
あの時は恐怖の余韻があったからなんとも思わなかったけど、今になって恥ずかしくなってくる。
うわぁっ、と頭を抱えながら羞恥に悶えた。
「伊吹、大丈夫?」
頭を抱えていると、目の前からつぐみが声をかけてくる。
顔を上げてつぐみのことを見ると心配そうにしてるのではなく、何してるの?と呆れたような表情をしていた。
「・・・大丈夫じゃない・・・」
「なに?今更手を繋いで登校したことで悶えてるの?」
「・・・はい・・・」
隣の空いてる席に座り、呆れた様子で聞いてくるつぐみに対し、素直に答える。
私の返答を聞いてはぁ・・・とため息をつく。
「朝に声かけられた時は疲弊してるみたいだったから言わなかったけど、好きな人がいる人がすることじゃないわよね?」
「・・・好きな人・・・。まぁ、そうですね・・・」
今、好きな人って言われて瞬時に灰田くんが浮かんでこなかったことに対して、少し不思議に思ってしまう。
前まではそういう話をするだけですぐに思い浮かんでたんだけどな・・・?
「・・・全く・・・。でも、良かったよ。伊吹に何ももなくて。そこだけはあの先輩に感謝しないとね」
「そうだね・・・なんとも思ってない私に対して親切にしてくれてるんだもん、感謝してるよ」
好きでも無い女のことを抱き締めて落ち着かせたり、噂されるかもしれないのに手を繋いで登校してくれてるんだもん。
感謝してもしきれない。
だけど、そう考えた時に少しだけ胸の当たりがモヤッとしたような気がした。
「・・・お互いになんとも思ってないことはないと思うけど・・・無自覚?」
「え?なんか言った?」
ボソッと何かを呟いたつぐみに対し、聞き取れなかった私は聞き返す。
基本つぐみの言葉は聞こえるんだけど、今回ばかりは周りの声にかき消されてしまっていた。
「・・・なんでもないよ。じゃ、私帰るね」
「あぁ、うん。バイバイ」
少し何かを考えながら目を閉じてなんでもないと伝えたあと、荷物を持って帰ろうとするつぐみ。
私は、それを見送りながら部活に行く準備をした。
朝に怖い思いをしたためか、授業に身が入らなかった。
しかも何故かあの時来てくれた黒瀬さんのことが頭から離れなくて困ってしまう。
こんなこと、今まで無かったのに・・・。
考え事をしながら部活に行くための準備をし始めた。
あの時はなんとも思わなかったけど、よくよく考えたらあんな道端で抱き締められた状態でかなりの時間を過ごしたのだと思うと、今更ながら恥ずかしくなってくる。
しかも、その後に手を繋いで教室まで送って貰ってるのもどうかと思う。
手を繋ぎながら登校するとか、恋人同士がやることじゃん・・・!
あの時は恐怖の余韻があったからなんとも思わなかったけど、今になって恥ずかしくなってくる。
うわぁっ、と頭を抱えながら羞恥に悶えた。
「伊吹、大丈夫?」
頭を抱えていると、目の前からつぐみが声をかけてくる。
顔を上げてつぐみのことを見ると心配そうにしてるのではなく、何してるの?と呆れたような表情をしていた。
「・・・大丈夫じゃない・・・」
「なに?今更手を繋いで登校したことで悶えてるの?」
「・・・はい・・・」
隣の空いてる席に座り、呆れた様子で聞いてくるつぐみに対し、素直に答える。
私の返答を聞いてはぁ・・・とため息をつく。
「朝に声かけられた時は疲弊してるみたいだったから言わなかったけど、好きな人がいる人がすることじゃないわよね?」
「・・・好きな人・・・。まぁ、そうですね・・・」
今、好きな人って言われて瞬時に灰田くんが浮かんでこなかったことに対して、少し不思議に思ってしまう。
前まではそういう話をするだけですぐに思い浮かんでたんだけどな・・・?
「・・・全く・・・。でも、良かったよ。伊吹に何ももなくて。そこだけはあの先輩に感謝しないとね」
「そうだね・・・なんとも思ってない私に対して親切にしてくれてるんだもん、感謝してるよ」
好きでも無い女のことを抱き締めて落ち着かせたり、噂されるかもしれないのに手を繋いで登校してくれてるんだもん。
感謝してもしきれない。
だけど、そう考えた時に少しだけ胸の当たりがモヤッとしたような気がした。
「・・・お互いになんとも思ってないことはないと思うけど・・・無自覚?」
「え?なんか言った?」
ボソッと何かを呟いたつぐみに対し、聞き取れなかった私は聞き返す。
基本つぐみの言葉は聞こえるんだけど、今回ばかりは周りの声にかき消されてしまっていた。
「・・・なんでもないよ。じゃ、私帰るね」
「あぁ、うん。バイバイ」
少し何かを考えながら目を閉じてなんでもないと伝えたあと、荷物を持って帰ろうとするつぐみ。
私は、それを見送りながら部活に行く準備をした。