略奪☆エルダーボーイ
灰田 陸side
放課後、いつも通りに部活動に励む。
だけど、黒瀬さんと伊吹さんの様子がいつもと違う気がする。
黒瀬さんが伊吹さんに対してくっついてるのはいつも通りだ。
だけど、伊吹さんの反応がいつもより大袈裟というか過剰に反応しているように見える。
・・・なんだろ、この感じ・・・。
そう思って休憩中の2人を見つめていた時、黒瀬さんと目が合った。
すると、黒瀬さんは俺の方へと近付いてくる。
「なぁ、陸。話がある。ちょっと聞け」
「・・・なんスか?」
いつもの飄々とした感じではなく、真剣な表情を浮かべている黒瀬さんに思わず身構えてしまう。
わざわざ呼び止めてまで話すってことは、他の人に聞かれたくない内容なんだろうか。
「前の話の続きだ。言われっぱなしは嫌なんでな。・・・俺、引かねーから。伊吹ちゃんの事」
「!!」
話の内容は以前俺が黒瀬さんに言った伊吹さんが気になってるという言葉への返答だった。
まさかその話をされるとは思わなかった。
しかも、宣戦布告とも取れる発言をされるとは思ってなくて、言葉が出てこない。
「・・・話はそんだけ。ちゃんと水分取れよ」
「・・・ハイ」
それだけ言い残して俺から離れていく黒瀬さん。
引かねーぞ・・・か。
俺だって引くつもりは無いけど・・・でも、憶測でしかないけど、伊吹さんは俺の事が好きな訳で・・・。
そんなことを思いながらマネージャーの仕事をしている伊吹さんの方を見つめる。
次の練習の準備をしている伊吹さんが顔を上げて俺の方に視線を向け、俺と目があった。
「?どうしたの?灰田くん」
「!あ・・・いえ、大変そうなんで手伝おうかなと」
「ううん、大丈夫。ありがと。せっかくの休憩だしゆっくり休んでて」
目が合うとは思ってなかったから、少し驚きながら伊吹さんに声をかける。
すると、優しく微笑んで大丈夫と答える伊吹さん。
その表情を見て、キュウッと胸が締め付けられる。
あー・・・可愛い・・・。
「何かあったら言ってくださいね」
「うん──わっ!?く、黒瀬さん・・・!?」
「伊吹ちゃん、突き指しちゃった。テーピング巻いて」
俺が伊吹さんと話している最中、うつむいた状態で伊吹さんに近付き、後ろから伊吹さんの肩に体重をかけながら腕を回した黒瀬さん。
黒瀬さんがくっついてるとわかった伊吹さんは少しだけ顔を赤くしながら黒瀬さんの方に視線を向けるけど、直ぐに黒瀬さんの指に手を伸ばした。
「そ、そういう事は早く言って下さい。ほら、離れて。テーピングとアイシング取ってきます」
「はいはい、よろしくね〜」
「・・・・・・」
伊吹さんから腕をよかして離れたあと、ヒラヒラと手を振る黒瀬さん。
分かりやすく間に入ってきたな・・・さっきの言葉、本気ってことか。
「・・・余裕、持った方がいいですよ」
「・・・なんの事かな?」
伊吹さんがいなくなってから彼にだけ聞こえるように伝えるとなんの事か分かりませんが?と言わんばかりの表情をする黒瀬さん。
おとぼけ・・・か。
まぁそうだよな。
「・・・いえ、なんでもないです」
そう答えて伊吹さんの作ったドリンクに手をかけて1口飲んだ。
放課後、いつも通りに部活動に励む。
だけど、黒瀬さんと伊吹さんの様子がいつもと違う気がする。
黒瀬さんが伊吹さんに対してくっついてるのはいつも通りだ。
だけど、伊吹さんの反応がいつもより大袈裟というか過剰に反応しているように見える。
・・・なんだろ、この感じ・・・。
そう思って休憩中の2人を見つめていた時、黒瀬さんと目が合った。
すると、黒瀬さんは俺の方へと近付いてくる。
「なぁ、陸。話がある。ちょっと聞け」
「・・・なんスか?」
いつもの飄々とした感じではなく、真剣な表情を浮かべている黒瀬さんに思わず身構えてしまう。
わざわざ呼び止めてまで話すってことは、他の人に聞かれたくない内容なんだろうか。
「前の話の続きだ。言われっぱなしは嫌なんでな。・・・俺、引かねーから。伊吹ちゃんの事」
「!!」
話の内容は以前俺が黒瀬さんに言った伊吹さんが気になってるという言葉への返答だった。
まさかその話をされるとは思わなかった。
しかも、宣戦布告とも取れる発言をされるとは思ってなくて、言葉が出てこない。
「・・・話はそんだけ。ちゃんと水分取れよ」
「・・・ハイ」
それだけ言い残して俺から離れていく黒瀬さん。
引かねーぞ・・・か。
俺だって引くつもりは無いけど・・・でも、憶測でしかないけど、伊吹さんは俺の事が好きな訳で・・・。
そんなことを思いながらマネージャーの仕事をしている伊吹さんの方を見つめる。
次の練習の準備をしている伊吹さんが顔を上げて俺の方に視線を向け、俺と目があった。
「?どうしたの?灰田くん」
「!あ・・・いえ、大変そうなんで手伝おうかなと」
「ううん、大丈夫。ありがと。せっかくの休憩だしゆっくり休んでて」
目が合うとは思ってなかったから、少し驚きながら伊吹さんに声をかける。
すると、優しく微笑んで大丈夫と答える伊吹さん。
その表情を見て、キュウッと胸が締め付けられる。
あー・・・可愛い・・・。
「何かあったら言ってくださいね」
「うん──わっ!?く、黒瀬さん・・・!?」
「伊吹ちゃん、突き指しちゃった。テーピング巻いて」
俺が伊吹さんと話している最中、うつむいた状態で伊吹さんに近付き、後ろから伊吹さんの肩に体重をかけながら腕を回した黒瀬さん。
黒瀬さんがくっついてるとわかった伊吹さんは少しだけ顔を赤くしながら黒瀬さんの方に視線を向けるけど、直ぐに黒瀬さんの指に手を伸ばした。
「そ、そういう事は早く言って下さい。ほら、離れて。テーピングとアイシング取ってきます」
「はいはい、よろしくね〜」
「・・・・・・」
伊吹さんから腕をよかして離れたあと、ヒラヒラと手を振る黒瀬さん。
分かりやすく間に入ってきたな・・・さっきの言葉、本気ってことか。
「・・・余裕、持った方がいいですよ」
「・・・なんの事かな?」
伊吹さんがいなくなってから彼にだけ聞こえるように伝えるとなんの事か分かりませんが?と言わんばかりの表情をする黒瀬さん。
おとぼけ・・・か。
まぁそうだよな。
「・・・いえ、なんでもないです」
そう答えて伊吹さんの作ったドリンクに手をかけて1口飲んだ。