略奪☆エルダーボーイ
灰田 陸side
つぐみさんに好きにさせてくださいと言ってからつぐみさんと一緒にいることが増えた。
朝一緒に登校したり、お昼ご飯を一緒に食べたり、部活を見に来てもらった後に一緒に帰ったりしている。
そんな中、おれがつぐみさんに対する感情が少しずつ変わり始めていた。
つぐみさんはよく笑う。
本人は嫌がってるけど、笑うと垣間見える八重歯がよく見える。
告白されて意識する前も可愛いと思ったことはあったけど、最近はもっとその笑顔が見たいと思い始めていた。
「・・・あれ・・・」
渡り廊下を渡ろうとした時、床にキーホルダーが落ちているのに気が付く。
確かこのキーホルダー、つぐみさん付けてたよな?
でも、今日の朝は付いてなかったような・・・。
もしかして落としたのかな?
そう考えた俺は、それを手に取ってつぐみさんの教室へと向かう。
2年生の居る棟に来てつぐみさんのいる教室の中をのぞく。
すると、つぐみさんがクラスメイトと話しているようだった。
「あはは、何それ〜」
「!」
クラスメイトと話している時に満面の笑みを浮かべているのを見て、胸がキュンッと締め付けられる。
前から思ってたけど・・・つぐみさん、笑った顔可愛い・・・。
「!あれ、陸くん?」
「つぐみさん、ちょっといいですか?」
俺がジッとつぐみさんのことを見ていると、俺の存在に気付いたのか、つぐみさんと目が合う。
そんな彼女に対して手招きをした。
「なに、知り合い?」
「幼馴染。ちょっと行ってくる」
話をしていたクラスメイトに“幼馴染”と伝えて俺の方へと来るつぐみさん。
幼馴染・・・か。
好きな人って言って欲しかったな・・・。
そう思った瞬間、ふと我に返る。
なんで・・・好きな人って言って欲しかったんだ・・・?
「陸くん、どうしたの?何か用事?」
「あ、えっと・・・コレ、落ちてたんで届けに来ました。つぐみさんのですよね?」
自分の思ったことに動揺しながらも、つぐみさんに落ちていたキーホルダーを手のひらに乗せて見せる。
するとそれをのぞき込むように見つめた。
「あっ、無くしたと思ってたやつ!!ありがとう見つけてくれて。コレ、伊吹に貰ったやつなの」
「!」
嬉しそうに笑いながら俺の手からキーホルダーを取るつぐみさん。
その笑顔とわずかに触れた指先にドキッと心臓が高鳴る。
ドキドキと早鐘を打つ心臓を落ち着かせるように胸を押さえた。
「・・・いえ、じゃあ、失礼しますね」
「うん、またね」
手を振りながら俺を見送るつぐみさんに頭を下げて廊下を歩き出す。
しばらく歩いてつぐみさんが見えなくなった時、口元に手の甲を当てて壁に寄りかかる。
「・・・あ゙〜・・・マジか〜・・・」
熱くなった頬を冷ますように一息ついた後、ズルズルとしゃがみこむ。
伊吹さんが好きになった時はこんな風にならなかったのに・・・。
好きにさせてください、とは言ったけど・・・ここまでしろとは言ってないんだけどな〜・・・。
コレ、伊吹さんの時より酷くね?
つぐみさんに好きにさせてくださいと言ってからつぐみさんと一緒にいることが増えた。
朝一緒に登校したり、お昼ご飯を一緒に食べたり、部活を見に来てもらった後に一緒に帰ったりしている。
そんな中、おれがつぐみさんに対する感情が少しずつ変わり始めていた。
つぐみさんはよく笑う。
本人は嫌がってるけど、笑うと垣間見える八重歯がよく見える。
告白されて意識する前も可愛いと思ったことはあったけど、最近はもっとその笑顔が見たいと思い始めていた。
「・・・あれ・・・」
渡り廊下を渡ろうとした時、床にキーホルダーが落ちているのに気が付く。
確かこのキーホルダー、つぐみさん付けてたよな?
でも、今日の朝は付いてなかったような・・・。
もしかして落としたのかな?
そう考えた俺は、それを手に取ってつぐみさんの教室へと向かう。
2年生の居る棟に来てつぐみさんのいる教室の中をのぞく。
すると、つぐみさんがクラスメイトと話しているようだった。
「あはは、何それ〜」
「!」
クラスメイトと話している時に満面の笑みを浮かべているのを見て、胸がキュンッと締め付けられる。
前から思ってたけど・・・つぐみさん、笑った顔可愛い・・・。
「!あれ、陸くん?」
「つぐみさん、ちょっといいですか?」
俺がジッとつぐみさんのことを見ていると、俺の存在に気付いたのか、つぐみさんと目が合う。
そんな彼女に対して手招きをした。
「なに、知り合い?」
「幼馴染。ちょっと行ってくる」
話をしていたクラスメイトに“幼馴染”と伝えて俺の方へと来るつぐみさん。
幼馴染・・・か。
好きな人って言って欲しかったな・・・。
そう思った瞬間、ふと我に返る。
なんで・・・好きな人って言って欲しかったんだ・・・?
「陸くん、どうしたの?何か用事?」
「あ、えっと・・・コレ、落ちてたんで届けに来ました。つぐみさんのですよね?」
自分の思ったことに動揺しながらも、つぐみさんに落ちていたキーホルダーを手のひらに乗せて見せる。
するとそれをのぞき込むように見つめた。
「あっ、無くしたと思ってたやつ!!ありがとう見つけてくれて。コレ、伊吹に貰ったやつなの」
「!」
嬉しそうに笑いながら俺の手からキーホルダーを取るつぐみさん。
その笑顔とわずかに触れた指先にドキッと心臓が高鳴る。
ドキドキと早鐘を打つ心臓を落ち着かせるように胸を押さえた。
「・・・いえ、じゃあ、失礼しますね」
「うん、またね」
手を振りながら俺を見送るつぐみさんに頭を下げて廊下を歩き出す。
しばらく歩いてつぐみさんが見えなくなった時、口元に手の甲を当てて壁に寄りかかる。
「・・・あ゙〜・・・マジか〜・・・」
熱くなった頬を冷ますように一息ついた後、ズルズルとしゃがみこむ。
伊吹さんが好きになった時はこんな風にならなかったのに・・・。
好きにさせてください、とは言ったけど・・・ここまでしろとは言ってないんだけどな〜・・・。
コレ、伊吹さんの時より酷くね?