略奪☆エルダーボーイ
小日向 つぐみside
陸くんに告白し、好きにさせてくださいと言われてからしばらく経った頃。
部活がオフの陸くんと一緒に学校近くの土手に腰かけて一緒に過ごしていた。
──何故か、包み込まれるように後ろから抱き締められながら。
「・・・陸くん、あの・・・この状態は何?」
「・・・いえ、ちょっと思う事がありまして・・・こうしてたらわかるかなって」
「そ、そう・・・」
私の肩に頭を乗せながら抱き着いたまま動かない陸くん。
だからって・・・こんなに至近距離で密着されてると緊張する・・・!!
私、顔赤くなってないかな・・・。
「で、何かわかった?」
「まだ、なんとなくですが。・・・でも、つぐみさんの匂い、落ち着くのは分かりました」
「!?に、匂い嗅がないでよ・・・!」
「自然と鼻につくんですよ。でも・・・そうだな・・・うん、俺の好きな匂いだ」
陸くんに匂いを嗅がないでと伝えたのに、首筋に顔を近付けて深呼吸をしていた。
恥ずかしさでどうにかなりそうだ。
「っ・・・あ、あのね、陸くん・・・好きでもない子にそんな事しない方がいいよ・・・。勘違いしちゃうから。そうなったら困るでしょ・・・?」
私は別に陸くんを困らせたい訳じゃない。
だけど、1度フタをして再び開けてしまったらどうしたって溢れ出して止まらなくなる。
勘違いをさせるようなことはしないで欲しい。
「勘違いじゃないですよ。俺、貴女が思ってるよりつぐみさんの事好きですから」
「!?」
い、今・・・陸くんなんて言った・・・!?
私の事好きって聞こえたんだけど・・・!?
動揺のあまりさっきまでも鼓動が凄かったのにさらに早く心臓が動き出す。
もはやここまでくると苦しいまである。
「今、その事を考えていたんです。伊吹さんと黒瀬さんのやり取りを見ても何も思わなくなったの、なんでだろうって。しかも、最近つぐみさんの事を目で追ったりすることが増えてきたなって感じて・・・あぁ、好きなんだなーって」
「・・・・・・っ」
陸くんの発言に、嬉しさと困惑で言葉が出てこない。
まさか好きな人から好きだなんて言う発言を聞けるとは思ってなかったから、嬉しさでどうにかなりそうだ。
「・・・ね、つぐみさん。好きです。・・・俺と・・・付き合ってください」
「・・・はい、喜んで」
改まって告白を返され、2つ返事で答える。
夢見たい・・・こんなに幸せでいいのかな・・・?
「ふふっ、ありがと」
「っ・・・!?り、陸くん!?」
嬉しそうにお礼を言う陸くんは、チュッとリップ音を立てて私の頬にキスを落とした。
キスされた方の頬に触れ、何が起きたのか分からない私は混乱する。
な、なんで急に!?
「ん?どうしました?・・・あ、もしかして、口にして欲しかった?」
「ちっ、違っ・・・!!」
予想外な出来事と言葉に、ジワジワと頬が熱を帯びていく。
今絶対顔真っ赤だろうな。
「違う?でも、物足りないって顔してますよ?」
「し、してないもん・・・!」
からかってくる陸くんは肩越しにわたしの顔をのぞき込んでくる。
そんな彼からフイッと視線を逸らしてそっぽを向いた。
「そんなに拗ねないでくださいよ。可愛いなぁ」
「う、うるさい!もう知らない!」
「ごめんごめん。つぐみさん、機嫌直して?」
甘えるように肩に頭を乗せながら私の顔をのぞきこむ陸くん。
そんな事言われたら、許しちゃいそうになる。
「・・・じゃあ、今度パンケーキ食べに行きたい」
「分かりました、一緒に行きましょう」
「・・・うん」
ただ許すのも勿体ないし、お出かけの約束を取り付けると快く受け入れてくれる。
普通に誘えばいいんだろうけど、ようやく思いが通じた今の私には少しハードルが高い。
だけど、好きな人と思いが通じてこうして付き合うことが出来て・・・幸せだな。
今はもう少し・・・この幸せな空間にいたい。
陸くんに告白し、好きにさせてくださいと言われてからしばらく経った頃。
部活がオフの陸くんと一緒に学校近くの土手に腰かけて一緒に過ごしていた。
──何故か、包み込まれるように後ろから抱き締められながら。
「・・・陸くん、あの・・・この状態は何?」
「・・・いえ、ちょっと思う事がありまして・・・こうしてたらわかるかなって」
「そ、そう・・・」
私の肩に頭を乗せながら抱き着いたまま動かない陸くん。
だからって・・・こんなに至近距離で密着されてると緊張する・・・!!
私、顔赤くなってないかな・・・。
「で、何かわかった?」
「まだ、なんとなくですが。・・・でも、つぐみさんの匂い、落ち着くのは分かりました」
「!?に、匂い嗅がないでよ・・・!」
「自然と鼻につくんですよ。でも・・・そうだな・・・うん、俺の好きな匂いだ」
陸くんに匂いを嗅がないでと伝えたのに、首筋に顔を近付けて深呼吸をしていた。
恥ずかしさでどうにかなりそうだ。
「っ・・・あ、あのね、陸くん・・・好きでもない子にそんな事しない方がいいよ・・・。勘違いしちゃうから。そうなったら困るでしょ・・・?」
私は別に陸くんを困らせたい訳じゃない。
だけど、1度フタをして再び開けてしまったらどうしたって溢れ出して止まらなくなる。
勘違いをさせるようなことはしないで欲しい。
「勘違いじゃないですよ。俺、貴女が思ってるよりつぐみさんの事好きですから」
「!?」
い、今・・・陸くんなんて言った・・・!?
私の事好きって聞こえたんだけど・・・!?
動揺のあまりさっきまでも鼓動が凄かったのにさらに早く心臓が動き出す。
もはやここまでくると苦しいまである。
「今、その事を考えていたんです。伊吹さんと黒瀬さんのやり取りを見ても何も思わなくなったの、なんでだろうって。しかも、最近つぐみさんの事を目で追ったりすることが増えてきたなって感じて・・・あぁ、好きなんだなーって」
「・・・・・・っ」
陸くんの発言に、嬉しさと困惑で言葉が出てこない。
まさか好きな人から好きだなんて言う発言を聞けるとは思ってなかったから、嬉しさでどうにかなりそうだ。
「・・・ね、つぐみさん。好きです。・・・俺と・・・付き合ってください」
「・・・はい、喜んで」
改まって告白を返され、2つ返事で答える。
夢見たい・・・こんなに幸せでいいのかな・・・?
「ふふっ、ありがと」
「っ・・・!?り、陸くん!?」
嬉しそうにお礼を言う陸くんは、チュッとリップ音を立てて私の頬にキスを落とした。
キスされた方の頬に触れ、何が起きたのか分からない私は混乱する。
な、なんで急に!?
「ん?どうしました?・・・あ、もしかして、口にして欲しかった?」
「ちっ、違っ・・・!!」
予想外な出来事と言葉に、ジワジワと頬が熱を帯びていく。
今絶対顔真っ赤だろうな。
「違う?でも、物足りないって顔してますよ?」
「し、してないもん・・・!」
からかってくる陸くんは肩越しにわたしの顔をのぞき込んでくる。
そんな彼からフイッと視線を逸らしてそっぽを向いた。
「そんなに拗ねないでくださいよ。可愛いなぁ」
「う、うるさい!もう知らない!」
「ごめんごめん。つぐみさん、機嫌直して?」
甘えるように肩に頭を乗せながら私の顔をのぞきこむ陸くん。
そんな事言われたら、許しちゃいそうになる。
「・・・じゃあ、今度パンケーキ食べに行きたい」
「分かりました、一緒に行きましょう」
「・・・うん」
ただ許すのも勿体ないし、お出かけの約束を取り付けると快く受け入れてくれる。
普通に誘えばいいんだろうけど、ようやく思いが通じた今の私には少しハードルが高い。
だけど、好きな人と思いが通じてこうして付き合うことが出来て・・・幸せだな。
今はもう少し・・・この幸せな空間にいたい。