略奪☆エルダーボーイ
加藤 伊吹side
黒瀬さんと付き合い始めてからしばらく経った頃。
付き合ってからも黒瀬さんからのスキンシップは変わらず続いており、部活中もベタベタされていた。
部活が終わり、黒瀬さんと帰る約束をしていたので着替えを済ませて黒瀬さんが来るのを待っている時、灰田くんがスマホを取りだして画面を見つめて愛おしそうな顔をしながら見ている。
その時のロック画面がつぐみと灰田くんのツーショットの写真だった。
「あれ、灰田くん。そのロック画面・・・」
「あっ・・・!?い、伊吹さん!?い、今見ました!?」
「見たというか見えちゃったというか・・・」
スマホを自分の体の後ろに隠しながら私の方を見つめる灰田くん。
さっきまでの柔らかい表情は消え、焦ったような顔になっていた。
「つぐみの写真見てたの?すごく幸せそうな顔してたけど・・・?」
「っ〜・・・!!つ、つぐみさんには内緒にしておいて下さい!!」
慌てながら私に頭を下げてくる灰田くん。
その表情は、とても可愛らしいものだった。
でも、以前のような好きという感情は無い。
後輩を可愛がるような感覚だ。
「ふふっ、どうしようかな〜」
「ちょっ、伊吹さぁん!!」
私にすがりつくように肩を掴んで揺さぶり始める灰田くん。
前につぐみは灰田くんは好きな人がいるからって言ってたけど・・・。
もしかして、灰田くん・・・つぐみの事好きなんじゃないかな?
じゃなきゃロック画面になんかしないよね?
「お願いなんで言わないでください〜!!そんなことしたら俺泣きますからね!?」
「泣いてる所見たいから口滑らせちゃうかも」
「そんなぁ〜、伊吹さぁん!!」
「わかったわかった、言わない言わない」
泣きそうな顔ですがりつく灰田くんの様子にクスクスと笑いながら答える。
こういう反応されるとどうしてもいじめたくなっちゃうんだよな〜・・・。
「もう・・・酷いっすよ、伊吹さん」
「ごめんごめん。ちょっとからかいたくなっちゃって」
ムスッとしながら私の肩から手を離して頬を膨らませている灰田くんに笑いながら謝る。
そんなことをしていると、黒瀬さんが着替えを済ませてこちらに向かっているのが見えた。
「じゃあ、黒瀬さん来たから私帰るね。また明日」
「ウィッス、また明日」
灰田くんに手を振りながら黒瀬さんの所に駆け寄っていく。
そして、さり気なく差し出された黒瀬さんの手に手を重ね、握り返す。
「・・・陸と何話してたの?」
「つぐみのことですよ。・・・もしかして、嫉妬ですか?」
「・・・ちょっとだけね」
少し拗ねたように呟く黒瀬さんの姿にキュンと胸が締め付けられながら、思わず笑ってしまう。
黒瀬さんの事、こんなに好きなのに・・・まだわかってないのかな。
「大丈夫ですよ。私が好きなのは黒瀬さんだけなので」
「・・・わかってても嫉妬はするの・・・!陸と話す時は距離感気をつけて!」
「はいはい、わかってますって」
不貞腐れながら語尾を強めて言ってくる黒瀬さん。
可愛いなぁと思いながら手を握りしめて返事をした。
黒瀬さんと付き合い始めてからしばらく経った頃。
付き合ってからも黒瀬さんからのスキンシップは変わらず続いており、部活中もベタベタされていた。
部活が終わり、黒瀬さんと帰る約束をしていたので着替えを済ませて黒瀬さんが来るのを待っている時、灰田くんがスマホを取りだして画面を見つめて愛おしそうな顔をしながら見ている。
その時のロック画面がつぐみと灰田くんのツーショットの写真だった。
「あれ、灰田くん。そのロック画面・・・」
「あっ・・・!?い、伊吹さん!?い、今見ました!?」
「見たというか見えちゃったというか・・・」
スマホを自分の体の後ろに隠しながら私の方を見つめる灰田くん。
さっきまでの柔らかい表情は消え、焦ったような顔になっていた。
「つぐみの写真見てたの?すごく幸せそうな顔してたけど・・・?」
「っ〜・・・!!つ、つぐみさんには内緒にしておいて下さい!!」
慌てながら私に頭を下げてくる灰田くん。
その表情は、とても可愛らしいものだった。
でも、以前のような好きという感情は無い。
後輩を可愛がるような感覚だ。
「ふふっ、どうしようかな〜」
「ちょっ、伊吹さぁん!!」
私にすがりつくように肩を掴んで揺さぶり始める灰田くん。
前につぐみは灰田くんは好きな人がいるからって言ってたけど・・・。
もしかして、灰田くん・・・つぐみの事好きなんじゃないかな?
じゃなきゃロック画面になんかしないよね?
「お願いなんで言わないでください〜!!そんなことしたら俺泣きますからね!?」
「泣いてる所見たいから口滑らせちゃうかも」
「そんなぁ〜、伊吹さぁん!!」
「わかったわかった、言わない言わない」
泣きそうな顔ですがりつく灰田くんの様子にクスクスと笑いながら答える。
こういう反応されるとどうしてもいじめたくなっちゃうんだよな〜・・・。
「もう・・・酷いっすよ、伊吹さん」
「ごめんごめん。ちょっとからかいたくなっちゃって」
ムスッとしながら私の肩から手を離して頬を膨らませている灰田くんに笑いながら謝る。
そんなことをしていると、黒瀬さんが着替えを済ませてこちらに向かっているのが見えた。
「じゃあ、黒瀬さん来たから私帰るね。また明日」
「ウィッス、また明日」
灰田くんに手を振りながら黒瀬さんの所に駆け寄っていく。
そして、さり気なく差し出された黒瀬さんの手に手を重ね、握り返す。
「・・・陸と何話してたの?」
「つぐみのことですよ。・・・もしかして、嫉妬ですか?」
「・・・ちょっとだけね」
少し拗ねたように呟く黒瀬さんの姿にキュンと胸が締め付けられながら、思わず笑ってしまう。
黒瀬さんの事、こんなに好きなのに・・・まだわかってないのかな。
「大丈夫ですよ。私が好きなのは黒瀬さんだけなので」
「・・・わかってても嫉妬はするの・・・!陸と話す時は距離感気をつけて!」
「はいはい、わかってますって」
不貞腐れながら語尾を強めて言ってくる黒瀬さん。
可愛いなぁと思いながら手を握りしめて返事をした。