略奪☆エルダーボーイ
小日向 つぐみside
灰田くんと付き合い初めて数日──
私は伊吹に付き合えたことを報告していた。
「へぇ〜、灰田くんと付き合えたんだ。良かったじゃん」
「だけど、最近陸くんが距離近くて・・・!!ドキドキしっぱなしなのよ・・・!!」
伊吹に困っていることを伝えながら顔を手で覆う。
伊吹に話した通り、陸くんが最近何かと距離が近くてドキドキしっぱなしなのだ。
話す時とかも密着しながら話してくるし、登校する時も帰る時も手は恋人繋ぎだし・・・!
「・・・惚気?」
「違うわよ!!本気で困ってんの!!」
顔を覆っていた手をよかしながら、ムキになって伊吹に食いかかる。
長年片想いをこじらせた私には、その刺激は強すぎるのだ。
「困ってる・・・ねぇ・・・例えば?」
「なんか・・・私だけがドキドキしてるみたいで・・・嫌って言うか・・・本当に私の事好きなのかなーって考えちゃって・・・」
「あ、そっか・・・灰田くんって元々好きな人いたんだっけ?」
思い出したように言葉を紡ぐ伊吹。
そうだよ・・・陸くんは伊吹が好きだったんだよ・・・。
そんなことは言えないけど。
「うん・・・。その子、私より綺麗で美人で肌も綺麗だから比べちゃって・・・」
「それはしんどいけど・・・大丈夫だよ」
確信を持ったように言い切る伊吹にハテナが浮かぶ。
だって、そばかすもあって肌も荒れてて、歯並びも悪くてダメダメな私だよ?
どうしてそんなふうに言い切れるの?
「え?なんで──」
「秘密にしてって言われてたんだけど・・・つぐみがそう思ってるなら言った方がいいよね。灰田くん、スマホのロック画面、つぐみとのツーショットにしてて・・・それを愛おしそうな目で眺めてたもん」
「──え?」
伊吹の言葉に、私は呆気に取られる。
陸くんが私とのツーショを愛おしそうに眺めていた・・・?
なにかの間違いなんじゃ・・・。
「つぐみが思ってる以上に、灰田くんはつぐみの事が好きだよ。本人に聞いてみな」
「う、うん・・・だけど──」
「あれ?伊吹ちゃんに・・・小日向?」
“不安だよ”そう言いかけた時、前から黒瀬さんと陸くんが並んで歩いてくるのが見えた。
「あっ、黒瀬さんに灰田くん。ちょうど良かった。黒瀬さん、ちょっといいですか?良いですよね!?行きますよ!」
「いいけど・・・え、何?どうしたの伊吹ちゃん」
私の隣にいた伊吹は、黒瀬さんの元に近付いて行き、どういうことか理解していない黒瀬さんの背中を押しながらその場を立ち去っていく。
2人が去っていく後ろ姿を眺めながら呆気に取られていた。
「今の、なんなんでしょうね?」
「あ・・・」
今になって伊吹の考えていたことを理解した。
そっか・・・伊吹、私が陸くんと2人きりになれるようにしてくれたんだ。
伊吹ってば、変に気を使うんだから・・・。
「あ、あのね・・・陸くん」
「はい、なんですか?」
「伊吹から陸くんがロック画面を私にしてるって聞いたんだけど・・・」
「!?」
私の言葉に、陸くんがビクッと肩を震わせて慌てだした。
そして、ハァ〜・・・とため息をついて顔を覆い始める。
「い、伊吹さん・・・言わないでって言ったのに・・・!!」
「本当なの?」
「・・・ハイ。つぐみさんの笑顔、癒されるんで・・・疲れた時に見るために・・・」
顔を覆っている陸くんに問いかけると、少し恥ずかしそうにしながら答えてくれる。
そっか・・・私の笑顔、気に入って貰えてるんだ・・・。
「・・・そっか」
「っ・・・あーっ、もー!!」
ガシガシと頭をかいたあと、私の事を力いっぱいに腕の中に閉じ込める陸くん。
突然のことに、目を丸くした。
「っ!?な、なに!?」
「・・・なんでこんなに可愛いんですか・・・?俺、マジでドキドキして心臓壊れそうなんスけど」
「っ・・・!!」
陸くんの発言に嬉しさがカンストする。
陸くんもドキドキしてくれてるんだ・・・嬉しい・・・!
そんな思いで陸くんの背中に手を回した。
灰田くんと付き合い初めて数日──
私は伊吹に付き合えたことを報告していた。
「へぇ〜、灰田くんと付き合えたんだ。良かったじゃん」
「だけど、最近陸くんが距離近くて・・・!!ドキドキしっぱなしなのよ・・・!!」
伊吹に困っていることを伝えながら顔を手で覆う。
伊吹に話した通り、陸くんが最近何かと距離が近くてドキドキしっぱなしなのだ。
話す時とかも密着しながら話してくるし、登校する時も帰る時も手は恋人繋ぎだし・・・!
「・・・惚気?」
「違うわよ!!本気で困ってんの!!」
顔を覆っていた手をよかしながら、ムキになって伊吹に食いかかる。
長年片想いをこじらせた私には、その刺激は強すぎるのだ。
「困ってる・・・ねぇ・・・例えば?」
「なんか・・・私だけがドキドキしてるみたいで・・・嫌って言うか・・・本当に私の事好きなのかなーって考えちゃって・・・」
「あ、そっか・・・灰田くんって元々好きな人いたんだっけ?」
思い出したように言葉を紡ぐ伊吹。
そうだよ・・・陸くんは伊吹が好きだったんだよ・・・。
そんなことは言えないけど。
「うん・・・。その子、私より綺麗で美人で肌も綺麗だから比べちゃって・・・」
「それはしんどいけど・・・大丈夫だよ」
確信を持ったように言い切る伊吹にハテナが浮かぶ。
だって、そばかすもあって肌も荒れてて、歯並びも悪くてダメダメな私だよ?
どうしてそんなふうに言い切れるの?
「え?なんで──」
「秘密にしてって言われてたんだけど・・・つぐみがそう思ってるなら言った方がいいよね。灰田くん、スマホのロック画面、つぐみとのツーショットにしてて・・・それを愛おしそうな目で眺めてたもん」
「──え?」
伊吹の言葉に、私は呆気に取られる。
陸くんが私とのツーショを愛おしそうに眺めていた・・・?
なにかの間違いなんじゃ・・・。
「つぐみが思ってる以上に、灰田くんはつぐみの事が好きだよ。本人に聞いてみな」
「う、うん・・・だけど──」
「あれ?伊吹ちゃんに・・・小日向?」
“不安だよ”そう言いかけた時、前から黒瀬さんと陸くんが並んで歩いてくるのが見えた。
「あっ、黒瀬さんに灰田くん。ちょうど良かった。黒瀬さん、ちょっといいですか?良いですよね!?行きますよ!」
「いいけど・・・え、何?どうしたの伊吹ちゃん」
私の隣にいた伊吹は、黒瀬さんの元に近付いて行き、どういうことか理解していない黒瀬さんの背中を押しながらその場を立ち去っていく。
2人が去っていく後ろ姿を眺めながら呆気に取られていた。
「今の、なんなんでしょうね?」
「あ・・・」
今になって伊吹の考えていたことを理解した。
そっか・・・伊吹、私が陸くんと2人きりになれるようにしてくれたんだ。
伊吹ってば、変に気を使うんだから・・・。
「あ、あのね・・・陸くん」
「はい、なんですか?」
「伊吹から陸くんがロック画面を私にしてるって聞いたんだけど・・・」
「!?」
私の言葉に、陸くんがビクッと肩を震わせて慌てだした。
そして、ハァ〜・・・とため息をついて顔を覆い始める。
「い、伊吹さん・・・言わないでって言ったのに・・・!!」
「本当なの?」
「・・・ハイ。つぐみさんの笑顔、癒されるんで・・・疲れた時に見るために・・・」
顔を覆っている陸くんに問いかけると、少し恥ずかしそうにしながら答えてくれる。
そっか・・・私の笑顔、気に入って貰えてるんだ・・・。
「・・・そっか」
「っ・・・あーっ、もー!!」
ガシガシと頭をかいたあと、私の事を力いっぱいに腕の中に閉じ込める陸くん。
突然のことに、目を丸くした。
「っ!?な、なに!?」
「・・・なんでこんなに可愛いんですか・・・?俺、マジでドキドキして心臓壊れそうなんスけど」
「っ・・・!!」
陸くんの発言に嬉しさがカンストする。
陸くんもドキドキしてくれてるんだ・・・嬉しい・・・!
そんな思いで陸くんの背中に手を回した。