一匹オオカミくんと、今日も、屋上で



友人関係も良好だと思っていたけれど、蘭を含めるその他の友人はそうは思っていなかったらしい。


そう思うと私と友人達との間に大きな溝ができてしまっているような感覚に陥り、蘭を含める友人の私に接する態度がいちいち気に触るようになってしまった。


こんなんじゃダメだ。

こんなんじゃせっかく築いてきた高校生活が壊れてしまう。


意気込み、蘭に好きな人を作るにはどうしたら良いかを聞いてみた。すると、蘭は今までにないほどの笑みを私に向けた。


「あっこを好きっていう男子、結構いるんだよ! どういう人がいい?」


今までになくテンションが高い蘭に戸惑いながらも「優しい人……」と答える。


好きな人は「どういう人がいい?」と、聞かれてできることではないことくらい、私にも分かる。


蘭は私に好きな人をすっ飛ばして誰かを紹介する気だ。


私は初恋をしてみたいだけなのに。

彼氏がほしいわけじゃない。

紹介してほしいわけでもない。


ただ、好きな人の作り方を知りたいだけ。




< 2 / 36 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop