生家で虐げられた令嬢は嫁ぎ先で溺愛スローライフを送ります
21
「シエラ!大丈夫か?」
そんな声と共に、二階から駆けつけてくれたクロムス様は私と大型獣姿の精霊王様のセットを見ると少し力を抜いた。
「ウィンガルム様、その姿で現れたらうちの騎士たちが警鐘ガンガン鳴らしますよって話したじゃないですか」
ちょっと嘆息交じりにクロムス様が離すので私は驚いてしまう。
「クロムス様は精霊王様とお知り合いなんですか?」
私の言葉に、クロムス様は私たちの側に来て精霊王様に語り掛ける。
「昔、この魔の森で魔獣退治をしていた時に騎士たちとはぐれたとき助けてくれたのが精霊王だったんだ。その後もたびたび会いに来てくれて、魔法や精霊について教えてくれた。ある意味魔法の師匠だな」
まさかの、関係。
でも、クロムス様は優しい方なので精霊にも気に入られたのだろう。
精霊王様に気に入られる人間は愛し子意外にもいるのは驚きだけれど。
『仕方あるまい。クロムスとシエラに縁が見えておったのだから、愛し子に関わるものは大切にせねばならん』
そんなに昔から、精霊王には私とクロムス様の関係が見えていたというの?
だったら、もっと早く私はあの家から解放されてもよかったのに……。
『すまんの、シエラ。見えてはいても、人間に我らは簡単には干渉できぬのだよ。精霊にもいろいろあるのだ。特に、王たる我にはな……』
人間にもいろいろあるのだから、精霊にもいろいろあるのだろう。
しかし、話す前から私の考えを読んで返事をしていませんか?
『精霊王は万物を司るからなぁ、そうすべては読まんが、読めてしまうものは仕方あるまい』
まぁ、わりと何でもありな感じが精霊王様と思うことにしよう。
「それはそうと、シルバーフェンリルの変異種状態で現れたら騎士が驚くから気を付けてくれって言っていたのに」
ため息交じりのクロムス様に精霊王様はむっとした返事をする。
『我の神々しさはこれくらい立派でないと出ないだろうが! せっかく愛し子と初めて会うのに、小さき犬になどなりとうないわ』
そうやら、クロムス様はまわりを騒ぎにしないために私に会いに来るならば犬サイズになるよう伝えていたらしい。
しかし、それでは威厳がないと精霊王様はシルバーフェンリルの変異種で会いに来た。
それで、騎士たちは変異種の登場に警鐘は最大級の警戒でガンガン鳴らされたというわけだった様子。
これは、先に伝えていたクロムス様の苦労が報われない。
「精霊王様、人間にも人間の事情があります。周囲が混乱するのは互いによくないでしょう?ぜひ、今後はクロムス様のお願いを聞いてあげてください」
私の言葉にぐっと詰まった後、むすっと仕方あるまいという顔をするとシュルっと変化してやや大きめのオオカミくらいまで小さくなってくれた。
『これでよいか?愛し子よ。この姿だったら、会いに来てもいいか?』
こちらを伺う顔は、先ほどより丸みを帯びたせいで可愛さ満点になっている。
「はい、この姿であれば歓迎します。それに今後は騎士さんたちにも飛んできたプラチナのオオカミは精霊王さんだって周知しておきますから」
とりあえず、魔獣騒動はお騒がせな精霊王さんだったということで騎士たちは通常警戒に解散し、私たちはとりあえずサロンへと移動することにした。
そんな声と共に、二階から駆けつけてくれたクロムス様は私と大型獣姿の精霊王様のセットを見ると少し力を抜いた。
「ウィンガルム様、その姿で現れたらうちの騎士たちが警鐘ガンガン鳴らしますよって話したじゃないですか」
ちょっと嘆息交じりにクロムス様が離すので私は驚いてしまう。
「クロムス様は精霊王様とお知り合いなんですか?」
私の言葉に、クロムス様は私たちの側に来て精霊王様に語り掛ける。
「昔、この魔の森で魔獣退治をしていた時に騎士たちとはぐれたとき助けてくれたのが精霊王だったんだ。その後もたびたび会いに来てくれて、魔法や精霊について教えてくれた。ある意味魔法の師匠だな」
まさかの、関係。
でも、クロムス様は優しい方なので精霊にも気に入られたのだろう。
精霊王様に気に入られる人間は愛し子意外にもいるのは驚きだけれど。
『仕方あるまい。クロムスとシエラに縁が見えておったのだから、愛し子に関わるものは大切にせねばならん』
そんなに昔から、精霊王には私とクロムス様の関係が見えていたというの?
だったら、もっと早く私はあの家から解放されてもよかったのに……。
『すまんの、シエラ。見えてはいても、人間に我らは簡単には干渉できぬのだよ。精霊にもいろいろあるのだ。特に、王たる我にはな……』
人間にもいろいろあるのだから、精霊にもいろいろあるのだろう。
しかし、話す前から私の考えを読んで返事をしていませんか?
『精霊王は万物を司るからなぁ、そうすべては読まんが、読めてしまうものは仕方あるまい』
まぁ、わりと何でもありな感じが精霊王様と思うことにしよう。
「それはそうと、シルバーフェンリルの変異種状態で現れたら騎士が驚くから気を付けてくれって言っていたのに」
ため息交じりのクロムス様に精霊王様はむっとした返事をする。
『我の神々しさはこれくらい立派でないと出ないだろうが! せっかく愛し子と初めて会うのに、小さき犬になどなりとうないわ』
そうやら、クロムス様はまわりを騒ぎにしないために私に会いに来るならば犬サイズになるよう伝えていたらしい。
しかし、それでは威厳がないと精霊王様はシルバーフェンリルの変異種で会いに来た。
それで、騎士たちは変異種の登場に警鐘は最大級の警戒でガンガン鳴らされたというわけだった様子。
これは、先に伝えていたクロムス様の苦労が報われない。
「精霊王様、人間にも人間の事情があります。周囲が混乱するのは互いによくないでしょう?ぜひ、今後はクロムス様のお願いを聞いてあげてください」
私の言葉にぐっと詰まった後、むすっと仕方あるまいという顔をするとシュルっと変化してやや大きめのオオカミくらいまで小さくなってくれた。
『これでよいか?愛し子よ。この姿だったら、会いに来てもいいか?』
こちらを伺う顔は、先ほどより丸みを帯びたせいで可愛さ満点になっている。
「はい、この姿であれば歓迎します。それに今後は騎士さんたちにも飛んできたプラチナのオオカミは精霊王さんだって周知しておきますから」
とりあえず、魔獣騒動はお騒がせな精霊王さんだったということで騎士たちは通常警戒に解散し、私たちはとりあえずサロンへと移動することにした。